
NEWS | リビアングラスの起源が明らかに:隕石衝突が生んだ2900万年前の奇跡


リビアングラスとは?発見からその神秘性、道半ばの研究内容まで。今話題の石の興味深い記事をご紹介します。
参照元記事: THE CONVERSATION
リビア砂漠とエジプト南西部にまたがる大砂海砂漠で発見される黄色いガラス、通称リビアングラスの起源が、最新の研究で明らかになりました。
このガラスは1933年に初めて科学論文で記述され、ツタンカーメン王のペンダントにも使用されていた希少な天然ガラスです。その起源については長年議論が続いていましたが、最新の透過型電子顕微鏡技術を用いた研究により、隕石衝突によって形成されたことが判明しました。
研究チームは、ガラス内部に2種類の酸化ジルコニウム鉱物を発見しました。一つは2,250℃から2,700℃の高温でのみ形成される立方晶ジルコニア、もう一つは約13万気圧の超高圧下でのみ形成される非常に珍しい斜方晶II型です。これらの条件は、地球上では隕石衝突か原子爆弾の爆発でしか達成できません。
リビアングラスは約2900万年前に形成されたと推定されていますが、衝突クレーターの正確な位置はまだ特定されていません。今後の研究では、リモートセンシングと地球物理学的手法を組み合わせて、このミステリアスなクレーターの探索が行われる予定です。
この発見は、地球の地質学的歴史と太陽系の形成過程に新たな洞察を与えるものであり、リビアングラスの科学的・文化的価値をさらに高めています。
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