▶現在108種紹介中
希少石・レアストーンの魅惑の世界
『レアストーンなのか、マイナーストーンなのか、それは問題ではない』
希少石・レアストーンとは、まさにコレクターズストーン。滅多に手にできない、目にすることさえほとんどない、そんな稀有な存在なのです。さあ、素晴らしいキセキの世界を楽しみましょう。
▼まずは希少石ランキング1位2位3位
世界三大希少石
美しいネオンブルーの色彩を持ち「幻の宝石」とまで言われたパライバトルマリン。発見から今日まで不動の人気を誇っています。含まれる成分の割合や産地の違いによって、ネオンブルーから、澄み切ったライトブルー、優しいライトグリーン、またバイカラやパーティカラーまでカラーバリエーションがあります。
自然光ではグリーン、電球色のライトやランプ、ろうそくの光の下ではワインレッド~レッドカラーに変化するカラーチェンジを代表する宝石です。この不思議な色変化を持つアレキサンドライトは<宝石の王様><神様のいたずら>などとも呼ばれています。
シンハラ語で「蓮の花」や「ジャスの花の蕾」という意味の言葉を持つ、産出量が極めて少ない希少な宝石です。蓮の花の色のようなピンク色とオレンジ色の中間色が特徴的で、数あるファンシーサファイアの中でも最も高い評価を受けています。
▼つづいて希少石ランキング4位5位6位
Next希少石
(トプスト調べ)
2015年、アメリカの経済誌『Forbes(フォーブス)』で「世界で3番目に高価な宝石」と評価されました。主原産地であるマダガスカル政府が、グランディディエライトを<国の宝>として原石の国外持ち出しを厳しく規制しているため、もともとの産出量に加え、流通量自体が極めて制限されています。
タンザニアのキリマンジャロにかかる夕暮れの空の美しさになぞられて名付けられた宝石です。ゾイサイトにバナジウムが含まれることにより美しいブルーに発色したこの宝石は、20世紀最大の発見といわれ、ティファニー社が『タンザナイト』と名づけ販売したことにより爆発的な人気となりました。
アメリカ・カリフォルニア州のサン・ベニトからしか産出されず、アメリカの三大希少石<レッドベリル、ベニトアイト、ロードクロサイト>のうちの一つとされています。二色性があるものが多く、さらにダイヤモンドよりも高い分散率を持ち、すばらしい輝きを放ちます。
▼そして…!
TOP STONEが誇る希少石・レアストーンをダイジェストで一挙紹介!!
解説とともにじっくりとお楽しみください
TOPSTONE取り扱い
希少石 -ア行-
アウイナイトは美しい瑠璃色の結晶で、<アイフェルのサファイア>という愛称でも呼ばれ愛されている宝石です。大きな結晶はほぼ産出されません。このたいへん希少な宝石に、偉大な結晶学の父の名を冠し『アウィン』という鉱物名が付けられたといわれています。
アズライトは深いブルーの色を持つ鉱物で、鉱物顔料としても使われていました。銅鉱床の酸化帯に二次的に生じる鉱物で、例えば赤いキュープライトが変性してアズライトに変わったものなどがあります。また、アズライトに水分が加わって炭酸が抜けるとマラカイトへと変質します。鉱物として安定性が低く、マラカイトになりかかっているものが多く見られます。アズライト単体で美しい結晶の状態を保っているものは少なく、希少です。
褐色から黄色、青の色を持ち、なんといっても屈折率はダイヤモンドを超え、分散度についてはなんとダイヤモンドの5倍以上!ダイヤモンド以上の華やかさで知られるスファレライトの0.15すらもはるかに超える、素晴らしいファイアを秘めた宝石です。
青緑色の部分がアホイトで、銅を含んだケイ酸塩鉱物です。水晶に内包される形で産出することが多く、パライバブルーとも称される美しい色合いは、数あるインクォーツ系の中でも人気の高い鉱物です。パライバトルマリンインクォーツとの違いは、トルマリンは結晶形がはっきりとわかる状態で取り込まれるのに対し、アホイトはふわりと水晶に溶け込んでいるかのように入ること。現在は鉱山が閉山してしまい、流通しているもののみの希少石です。
結晶の層の間に水が含まれているため、熱するとその水が膨張してぱりぱりと剥離するため、滅多にルースカットされない希少石です。屈折率は高くないものの結晶の表面には水にぬれたようなギラリとした光沢があり、欧米では<フィッシュアイ・ストーン>とも呼ばれています。
通常のアラゴナイトは世界中で産出されますが、【フォスフォレッセンス】という光学効果を持つ結晶は非常に希少です。フォスフォレッセンスとは、『紫外線ライトで蛍光し、蓄光する。対象物からライトを外してもしばらくの間燐光(りんこう)する』という、フルオレッセンスとテネブレッセンスを併せ持つ稀有な蛍光反応を表します。
アメリカ・アリゾナ州のネイティブアメリカンであるナホバ族の居住地で、蟻塚の付近で見つかった真っ赤な宝石がこのガーネットでした。アントヒルの名前はそこに由来しています。宝石学に沿った名前ではクロムパイロープガーネット。赤系ガーネットの中でもレアなパイロープ、さらにはクロムを含むクロムパイロープガーネット(アントヒルガーネット)は数あるガーネットのカラーの中でも特に真紅に発色した希少なレッドガーネットです。
アンブリゴナイトとモンテブラサイトはアンブリゴナイトグループに属する鉱物です。両者はとても良く似た成分で形成されているため、詳細な成分分析は行わず、併記されることが多い宝石です。透明度の高い宝石質の原石の産出量が極めて少なく、ルースカットされたものはかなり希少です。
さまざまな色を持ち、派生も広くかかえるダイオプサイドのなかで、特に極めて希少カラーとされているのがイエローのダイオプサイドです。一般的には不透明なグリーンカラーや黒いものが多く、ごくわずかに、明るいイエローグリーンや鮮やかなイエローを呈するものがあります。宝石品質のダイオプサイドの中でも特にコレクター垂涎のレアアイテムといわれているのが、このイエローダイオプサイドです。
トルマリンの中でブルー、いわゆる藍色に発色しているものをさします。パライバトルマリンが発見されるまでは、数あるトルマリンのカラーの中で最も価値ある色として扱われていたそうです。産出量が少なく、現在でもルベライト(レッドトルマリン)と並び称される高い希少価値を持っています。
カラーレスからイエローからブラウンまでいくつかの色を持ちます。標本クラスの原石産出が多く、宝石品質でウィレマイト単体での結晶はほとんど採れません。ネオングリーンに激しく蛍光する特徴を持つ宝石です。強い蛍光性の特徴を生かして、初期のカラーTVやコピー機の蛍光体として使用されていたこともあるようです。
ヘルデライトのカルシウムがマンガンに置き換わってできた変種です。現在でも市場に多くは出回らず、また結晶自体が小さいものが多いため、とくに透明度の高い結晶は、見つけたら手にしておくべき・・・と言われるほどの希少石です。
スファレライトと全く同じ成分で出来ていますが、両者は結晶系が異なる同質異像の宝石です。ウルツァイトはスファレライトよりも高温の条件下で形成されるため非常に稀産で、六方晶系の結晶の形をとるために複屈折性が見られるのも特徴です。美しい宝石品質の結晶は赤みのあるオレンジ色をしています。
鮮やかなオレンジカラーが特徴です。結晶はとても薄い板状結晶が重なったものや針状の集合体で、標本クラスはそこまで珍しいものではありませんが、カッティングをほどこせるような大きさ・品質の原石がほとんど採れない希少石です。
アメリカ・コネチカット州フェアフィールド郡ブランチビルのマイカ鉱山で産出し、その色合いから「夜明け/光」の意味を持つエオスフォーロスが名前の由来です。チルドレナイトグループの鉱物で、チルドレナイトの持つ鉄の成分の一部がマンガンに置き換わったものがエオスフォライトです。
微量のトリウムとウランをに内包するという、放射性鉱物です。放射線によって数億年かけて宝石の構造が破壊され、もともとの結晶構造から非晶質へ変化した<メタミクト結晶>と呼ばれる構造を持ちます。透明度のある宝石質結晶の産出量は非常に少なく、コレクター限定の宝石として扱われている希少石です。
宝石質のパーガサイトが発見されたのはごく最近の1990年代。エデナイトは2002年のことです。オレンジ褐色からイエロー、グリーンといった色合いで、ガラス光沢のある美しい結晶を作ります。両者の成分はごくわずかな違いしかなく混ざり合った状態での産出も見られ、エデナイトとパーガサイトの中間の成分であるとされる場合は鑑別上名前が併記されます。
エピとは近似という意味のギリシャ語(epi)で、スティルバイトに近い、という意味の鉱物です。白い結晶が美しい鉱物で、束状の結晶が放射状に成長するため、ルースカットできるような原石が採れにくく、単結晶の状態のものでも通常は数ミリ程度のごく小さなものばかりです。さらに沸石ですので非常に割れやすいという特徴もあります。
純粋なものは無色で、成分に微細な鉄分が含まれることによって黄色から黄緑色に発色します。アルミニウムを含むリン酸塩鉱物です。リン酸塩と聞くだけで、希少であるという予測が立ちます。あの希少石フォスフォフィライトもリン酸塩鉱物の一種です。大きな結晶になることは非常に稀で、そのほとんどが土の塊のような状態で産出します。その中からカットできる結晶を見つけ出すのは非常に困難な上、劈開性があり硬度も低いという難易度の高い宝石です。
ジェダイト(翡翠輝石)や、美しいグリーンで知られるクロムダイオプサイドなどが含まれる輝石グループの鉱物で、ダイオプサイド(透輝石)の成分の内、カルシウムの含有量が少なくなりナトリウムやアルミニウムが加わるとオージャイトになります。原石標本で流通する姿がほとんどで、ルースカットされることは極めて稀です。
TOPSTONE取り扱い
希少石一覧 -カ行-
産出場所が非常に少ない鉱物で、最初の発見はカナダ、その次がオーストラリアです。ガスペイトの名前は最初の発見地カナダ・ケベック州のガスペ半島から名づけられました。ガスペイトはカルサイト(方解石)グループに属する、ニッケルを豊富に含む岩石が酸化してできた炭酸塩鉱物です。ニッケルを多量に含むことから、あざやかなグリーンの色合いをしています。
GIA所有のGübelinコレクションにも収められているほどのとても珍しい宝石です。主にユーディアライトからの二次生成で形成される、希少石から生まれる希少石で、様々な鉱物と共生しながら塊状で産出されることがほとんどで、宝石質の単結晶は極めて稀です。
明所と暗所、または室温と加熱状態において見える色が変化する【サーモクロミズム】という性質をもつダイヤモンドです。温度によって色を変化させる性質を【カメレオン】と呼びます。ジルコンにも同じ性質を持つ " カメレオンジルコン " があります。
非常に希少な【フォスフォレッセンス】という光学効果を持つカルサイトです。フォスフォレッセンスとは、『紫外線ライトで蛍光し、蓄光する。対象物からライトを外してもしばらくの間燐光(りんこう)する』という、フルオレッセンスとテネブレッセンスを併せ持つ稀有な蛍光反応を表します。
キャストライトと名前が似ていますが、あちらはアンダリュサイトの変種でクロス模様が特徴の鉱物で、キャシテライトは和名を錫(すず)鉱石といいます。純粋なキャシテライトは透明で、そこに含まれる鉄分の量によって淡いイエロー~褐色に発色します。ダイヤモンドよりも分散率が高く、淡い色合いのルースには、カットの仕方によってブラウンダイヤモンドと見間違うほどの素晴らしいファイアを見ることのできるものもあります。
色の濃いガーネットのような、ブラウンレッドから黒系の非常に深いカラーをもつ宝石です。非常に繊細な性質の鉱物で、採掘されてから時間がたつにつれ、光にさらされ続けると表面が次第に黒く変化していきます。表面の光の反射も次第にマットな質感になっていくので、そういった経年の変化も楽しみつつ、保存は暗所でが鉄則です。
1800年代後半に、ライムストーン、いわゆる鍾乳洞を形成している岩石中のインクルージョンとして発見されました。鮮やかなオレンジやイエローの色合いを持った宝石ですが宝石質の結晶が産出することは非常に稀で、レアストーンとして取り扱われています。ちなみに、成分中のマグネシウムの含有量が多くなるとコンドロダイトになります。こちらももちろんレアストーンです。
スファレライトはダイヤモンドと同等の屈折率と、ダイヤモンドの4倍もの分散度(分散率)を持つ宝石で、力強く眩いほどの素晴らしい輝きがうまれることが大きな特徴です。スペインからの産出が主ですが、ブルガリア産のスファレライトは特に評価の高い産地です。黄色やオレンジ、赤褐色のものがよく見られますが、最も希少なカラーはグリーンとされています。
ダイヤモンドの結晶が地殻変動で地上へ押し上げられる前、地中深くに存在する段階で放射線の影響を受けることによって、グリーンカラーに発色するようになった希少なファンシーカラーダイヤモンドです。この発色の過程は人工的にも再現できるため、無処理のカラーダイヤモンドは非常に希少です。
数多くの色を持つスピネルの中で、ブルーに発色する要因は鉄とコバルトで、コバルトが多いものを特別にコバルトスピネル(コバルトブルースピネル)と呼びます。コバルト発色のスピネルはカラーチェンジの性質を持ち、UVライトや2色鏡(チェルシーフィルター)でその色変わりを楽しむことができます。
多色性を持つアイオライトは通常、カッティングする際にはブルーが最も美しく出る角度が正面になるように仕上げられます。黄色部分は鮮やかな色合いに見えることが非常に少なく茶色や褐色になることが多いため、美しい色合いでイエローが前面になるように仕上げられたルースはほとんど流通していません。
コーンフラワーとは矢車草の意味。あの美しいブルーカラーになぞらえて名づけられました。ベルベットブルーの明るくやわらかな色合いを持つブルーのサファイア。ロイヤルブルーサファイアと並び、ブルーサファイアのなかでも別格の価値を持ちます。
レアストーンとして知られているクリノヒューマイトと同じヒューマイトグループに属し、マグネシウムの含有量がおおい種類です。コンドロダイトが形成される環境はたくさんの金属成分が集まっているスカルン鉱床という場所で、結晶・再結晶が活発に行われています。そのため非常に内包物を含みやすく、宝石質のものはほとんど流通しない希少石です。
TOPSTONE取り扱い
希少石一覧 -サ行-
レアストーンとして有名なアウイナイトの産地でもあるドイツ・アイフェル地方で産出される宝石です。イエロー~褐色の、ガラス光沢のある宝石で、ムーンストーンと同じ長石に属します。宝石質の美しい結晶が非常に少なく、希少石中の希少石です。
アメリカのアリゾナ州など、限られた地域でしか産出されないレアストーン。シリシファイド・クリソコラと呼ばれることもあります。シリシファイドとは珪化したという意味で、クリソコラにSiO2(二酸化ケイ素・水晶の成分です)が浸透し、長い時間をかけて最終的にクォーツ化した宝石です。マットな質感のクリソコラが艶やかで硬質な鉱物になり、ブルーやグリーンの美しい色合いはコアなコレクターに非常に人気があります。
最初の発見から約100年、1970年代に至るまでに採掘された原石は小粒なものばかりで、宝石としてカットできるものではありませんでした。白や無色のものが大半ですが、その他にもイエローやブルーの色合いを持ち、中でも特に透明度が高く美しいブルーに発色するものはかなりの希少品です。
ルビーとはまた違うその独特な赤色が見る人を引き付ける宝石です。水銀と硫黄からなる硫化水銀鉱物で、手に持ってみるとずしりと重い特徴があり、宝石では最大級の重さを誇ります。カッティングできるほどの単体での結晶の産出がほとんどなく、ルースカットされたものは非常に希少です。
カラーレスから淡いイエロー、ブルー、パープルなどのカラーを持ちます。多色性があるため、ファセットカットをほどこすと角度によって異なる色が見える美しいものや、結晶の内部に繊維状の組織が生成されると、そこが光を反射し、ムーンストーンのようにほわりとした光を反射するタイプや、もっと密集するとキャッツアイの出るタイプまであります。
黄色みがかった白色からオレンジ(褐色)系、もっとも希少なものではグリーンの色も見つかったことがあります。屈折率が高く光沢の強い宝石で、ダイヤモンドに近い分散度もあります。希少金属「タングステン」の主原料となる鉱物として知られます。工業用の採掘が多く、結晶自体が小さい上に宝石品質のものがあまりとれないことから非常に希少な宝石として扱われています。
ジンカイトは紅亜鉛鉱、マンガンを含む酸化亜鉛鉱物です。実はジンカイトには、天然のものと、偶然の産物で出来上がった合成ジンカイト(半人工石)が流通しています。合成ジンカイトは鉱山の火災で出来た、亜鉛精製工場の煙突内に結晶化した、などのケースがあり、偶然が生みだしたものということで価値のある宝石として扱われています。天然のジンカイトはさらに希少。鉱山も極めて限定されており、ほとんど流通しない希少石です。
タンザナイトと並び、20世紀に発見された三大宝石の一つに挙げられています。長い間『褐色のペリドット』と思われてきたことからもわかるよう鉱物的な特性や特徴などはペリドットに近い要素を持っています。一見すると見た目は地味な印象ですが、複屈折性による多色性を持ち、みればみるほど不思議な魅力にあふれる宝石です。
リリーパッド(サンスパングル)インクルージョンタイプや隕石由来のパラサイティックペリドットなど、ペリドットにも徳江b綱名前を持つものがありますが、中でもスターペリドットは珍しく、さらに数多あるスター効果を持つ宝石の中でもかなり希少な種類に入ります。
屈折率は非常に高く、ダイヤモンドに匹敵します。比重は7前後で、最重量級のシナバーやタンタライト(比重8)に近いかなりの重量級宝石です。マンガノタンタライトと同じくレアメタルのタンタルを含みますが、タンタライトとは別のセルバンタイトグループの鉱物であるというややこしい宝石です。あざやかなネオン感のあるイエローが目を引きます。
蛍光と燐光の特性を持つ、フォスフォレッセンスタイプの宝石です。燐光の度合いは個体によりやや差がありますが、なかにはさらに熱を発するものもあるようです。ひとつの結晶を中心に次々と繰り返し形成されて増えていくような形に成長するためジェムカットできるような原石が少なく、ファセットカットはほとんど出回らない希少石です。
柔らかな色味は無色から白が本来の色であり、コバルトやマンガンでピンク色、カドミウムで黄色に発色します。もっとも希少色といわれるのが青緑。パライバトルマリンを思わせるブルーグリーンカラーは銅発色です。スミソナイトはほとんどがしゅわしゅわした炭酸の泡のような、ムースのような葡萄状の集合体になります。結晶の状態になることが非常に珍しく、ファセットカットルースは希少です。
スピネルのような八面体となる結晶が成長するときに、ある1面だけが急激に成長し、三角形の板状結晶ができたものがダイヤモンドのマクルに代表されるようなおにぎり型の結晶(スピネル式双晶)です。この結晶が180度回転しながら成長したものがスピネル式の回転双晶で、その結晶が透けて見えるため六芒星のような星型が現れています。
見た目からは想像がつきませんが、アラゴナイトグループの宝石です。特徴は何と言っても虹色が揺らめく輝きです。太陽光がルースに取り込まれると、オーロラのような美しい虹色のきらめきが湧き上がります。また、アラゴナイトのカルシウムが鉛に置き換わったという性質のとおり、手にしてみるとずっしりとした重みを感じます。硬度が3-3.5と非常に低いため、ルースカットされることが非常に少なくいコレクタースーンです。
2015年のフォーブス誌で、『世界で4番目に高価な宝石』と発表された希少石です。カルシウム、マグネシウム、アルミニウム、ホウ素といった非常に多くの成分を持ちます。一見真っ黒で不透明な結晶ですが、多色性があり、光に透かして見ると褐色から赤に透けて見えるものや、ごく稀にアウイナイトやアパタイトのようなブルーの色合いの結晶も産出します。
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希少石一覧 -タ行-
スピネルか新種か。その確定までには4年の歳月がかかりました。最初の発見が原石ではなくカットルースであったという、宝石学のなかでは初の出来事というエピソードをもつ宝石で、その当時大きな話題になったといわれています。結晶は数えるほどしか産出されず、1980年代までに見つかったのはわずかに約50個。そのほとんどが博物館に収められているという希少石です。
発見当初、あまりにも鮮やかなグリーンの結晶をエメラルドだと思い込んだ鉱山の鉱夫たちによってその産出を隠され、19世紀初頭になってようやく、エメラルドとは異なる新しい宝石であることがわかったということです。結晶が少しでも大きくなるとほとんど光を通さなくなる、という特徴があるため、宝石としてカットされ、なおかつ鮮やかな色を放つルースは非常に希少です。
結晶の形がいくつもある、という特徴を持っている鉱物で、カッティングができる結晶形ではカラーレスから白色、淡い黄緑~緑色があります。結晶形をつくらず、微細な粒上の結晶が集まってつぶつぶとした葡萄状の集合体をつくる場合はカラーレスからパープル、褐色の色合いになります。
ハックマナイトと同じくソーダライトの亜種で、個体差はありますが、このツグツパイトも紫外線ライトで色が変わり、遮光してもしばらくはその色変化が持続するというテネブレッセンス効果(フォトクロミズム効果)によって色合いが濃いピンク色になり、長時間その色合いを保ちます。1960年に見つかった比較的新しい宝石で、レアメタルであるベリリウムを含む希少石です。
ダイヤモンドに匹敵する輝きを持つデマントイドガーネット。この宝石の持つ輝きがまるでダイヤモンドのようだ、ということから、<デマントイドガーネット=ダイヤモンドのようなガーネット>と名づけられたそうです。主にロシア・ウラル山脈産に見られる 「ホーステールインクルージョン」は大きな特徴はです。宝石内のインクルージョンが瑕疵ではなく「美しいもの」として見られるようになったのも、このデマントイドガーネットが影響しています。
デュモルチェライトのほとんどは、繊維状や微針状結晶の集合体として産出します。鮮やかなブルーカラーで透明度が高いものほど希少性が高く、また通常はその結晶状態そのままに水晶にインクルージョンされるようなことが多いため、単結晶で産出することは極めて稀です。『インクォーツではない』デュモルチェライトのルースはかなりのレアピースです。
TOPSTONE取り扱い
希少石一覧 -ナ行-
ゼオライトグループに属する鉱物のひとつで、結晶は一般的にはタンポポの綿毛のような細い針状に密集した見た目を作ります。そのため、鉱物標本としての人気が高く、カットも難しいことから宝石品質のルースはなかなか出回りません。半透明でガラス質な美しい結晶になりますが、ナトロライトの弱点として、非常に熱に弱い、溶けやすい、酸にも弱いという点があります。劈開も完全なため、カッティングにはかなり適さない宝石です。
「キズのないエメラルドと欠点のない人間などいない」と称されるエメラルド。そのため、オイル含侵などで処理されていることが一般的です。<ノンオイルエメラルド>とは、この処理をしていない、完全にナチュラルなエメラルドであるということ。処理をする必要のない、最高の美しさを持っている希少なエメラルドです。
TOPSTONE取り扱い
希少石一覧 -ハ行-
長石のひとつ、いわゆる≪ムーンストーン≫と呼ばれるアルカリ長石グループ正長石の、さらに亜種にあたります。ムーンストーンと呼ばれる宝石はオーソクレースが主となりますが、ハイアロフェンはこのオーソクレースとバリウムが含まれた珍しい長石セルシアンとの固溶体で、バリウムが含まれることにより他の長石よりも比重が重くなった珍しい種類です。
ブラジル・バイーア州で発見されたことから名づけられたバイアナイト。シエラ・ダス・アルマスにある標高1980メートルの山、リオ・ド・ピコス・ダス・アルマスの周囲の川で発見されました。現在でもこの地域からのみ発見されています。ごく少量の小さな粒でしか見つからず、硬度が高く劈開が完全という研磨のしづらさから、ほとんどルースカットには回らない宝石です。
レアストーンであるシーライトから変成してできる希少石です。シーライトの”タングステン(W)”がすべて、モリブデン(Mo)に置き換わったもので、両者は固溶体を形成する関係にあります。希少石からの希少石という非常に珍しい宝石で、滅多に流通しないレアストーンです。蛍光する性質を持ち、短波の紫外線(300-200nm)でより強く蛍光を示します。
ロードナイトなどを産出するマンガン鉱床で成長する鉱物で、ウォラストナイトという鉱物のカルシウムの大半がマンガンに置き換わったものです。もとのウォラストナイトは白色~灰色の鉱物で、宝石質の美しいピンクに発色する割合は非常に少なく、希少石中の希少石です。海外ではその見た目をジェムシリカになぞらえて<ピンクシリカ><ピンクジェムシリカ>などとも呼ばれています。
透明~白色、黄色、褐色、青までカラーバリエーションは豊富です。バリウムを主成分に持ち、想像通り、ずしりとした重みをもつ重量級の宝石です。産出量は多いものの硬度が3-3.5と非常に低く、また3方向に劈開を持ちますので、宝石として扱うには非常に難しい側面があります。透明度が高く美しくカッティングされたルースに出会えたら、ぜひ手に入れて頂きたい希少石です。
世界で最も美しい隕石ともいわれ、シルバーカラーの部分は鉄ニッケル合金、山吹色の部分は橄欖石(かんらん石・ペリドット)です。このペリドットだけを取り出したものがパラサイティックペリドットと呼ばれる隕石由来のペリドットです。比重の異なるこの2種類が合わさるには重力のある地球上では不可能とされ、宇宙でのみ生み出される奇跡的なレアストーンです。
1814年にフィンランドのパルガスで発見された、きわめて流通量が少ない宝石です。結晶が小さく2方向に完全な劈開を持つため、ほとんどルースカットされることのない希少石です。クロムを含むとクロム・パーガサイトとなり、鮮やかなエメラルドグリーンに発色します。
ストロンチウムやセリウムなどの希土類を含む、非常に希少な炭酸塩鉱物です。バリウムを含むため比重がやや高く、また微量な放射性も確認されています。その他にもバーバンカイトが希少な理由として挙げられるのが、この石が持つ性質です。母岩である火成岩の中で簡単に溶解してしまうため、目に見える自結晶で産出する可能性が極めて低く、、「目に見えない鉱物」などとも呼ばれています。
レッドカラーの宝石を代表する宝石ルビー。その中でも別格の価値を持つ色のルビーをピジョンブラッドルビーと呼びます。赤い色合いを引き出すための処理として加熱処理が施される場合がありますが、非加熱の状態でビジョンブラッドの美しい赤色を示すルビーは非常に希少価値があります。
グロッシュラーにはカラーレスのリューコ、淡いグリーンのミント、濃いグリーンのツァボライト、オレンジのヘソナイトなどがありますが、ピンクのグロッシュラーは知る人ぞ知る希少カラーです。別名ラズベリーガーネットやローゼライトとも呼ばれる、可愛らしい色合いです。
実はスギライトの本来のカラーは黄緑色。その変種が、今”スギライト”と一般的に思われているパープルカラーのマンガン・スギライトです。その中で、さらにピンク寄りに鮮やかに発色したものがピンクスギライトと呼ばれています。落ち着いた色味の多いスギライトの中で、鮮やかなカラーの産出は極めて少なく、希少なルースです。
加熱をほどこして美しいタンザナイトを得る前の褐色がかった結晶の中で、ごく稀に美しいピンクの結晶が採取されることがあります。この透明感のあるピンクのゾイサイトは産出がほとんどありません。流通のメインがブルーのゾイサイト(タンザナイト)であることもあり、原石の段階で加熱処理に回ってしまうことがほとんど。そのため、ナチュラルで美しいピンクのゾイサイトはタンザナイトよりも希少価値高く扱われている隠れレアカラーです。
鉛を含む炭酸塩鉱物で、UV照射で蛍光します。褐色や淡いピンクやイエロー、また美しいカラーレスの結晶に成長しますが、劈開が完全で硬度も2.5-3と非常に低いことから、カットが非常に難しいレアストーンであ、美しくカットされたルースはダイヤモンドのような素晴らしい輝きを持ちます。
幻の宝石「フォスフォフィライト」はカラーレスの個体もありますが、爽やかなブルーグリーンカラー・生まれたての若葉のような淡いグリーン・朝露のように青味がかった瑞々しい色合いが最も価値があるとされています。宝石品質の結晶は非常に少なく、あっても1ct未満のものがほとんど。高品質のボリビア産はすでに鉱山が枯渇しており、手に入るものは過去に採掘されたオールドコレクションのみという希少石です。
見た目からは全く想像がつきませんが、この宝石は橄欖石、正確には<マグネシア橄欖石(Mg2[SiO4])といいます。ペリドットはこのフォルステライト(マグネシア橄欖石)=無色~半透明とファヤライト(鉄橄欖石)=褐色~黒がまじりあった宝石で、主成分がフォルステライト、それにファヤライトが混ざり、その割合によって黄緑糸から褐色に近い色合いまで、色の幅を持っています。
『世界で最も希少な宝石』として、ギネスブックに認定されたことがある、希少石中の希少石です。最初の発見が1950年、わずか1粒の結晶でした。2000年代に入り、世界中の宝石の再鑑定が進むにつれ、今まで石種不明の宝石だったものがペイナイトであることがわかるケースが報告され始めます。それと並行して新しい鉱床が発見され、あのギネスの宝石が手に入るかもしれない!と、瞬く間に人気に火が付きました。色は無色~淡赤、濃赤、暗褐色まであります。
1990年代、マダガスカルのベキリー鉱山で発見されたアオイガーネット。これが通称ベキリーブルーガーネットです。
『青いガーネットは存在しない』といわれていたカラーだったため、コレクターの間で瞬く間に人気が高まりました。さらに、電球色ライトを照射することでalexandriteのように青から赤へと色が変化するカラーチェンジも併せ持つ希少なガーネットです。
パライバをさらに神秘的にしたような美しく鮮やかなスカイブルー、発砲した泡が固まったようなもこもことした葡萄状の結晶のヘミモルファイトは数多くのブルーの宝石のなかでもかなり特徴的で、他に類を見ない魅力があります。結晶の形状はその他にも霜柱状や母岩を皮殻状に覆った状態などがあり、全く違う鉱物のように見えることもあり、原石の状態でも非常に人気の高いレアストーンです。
ベリリウムとナトリウムを含む鉱物で、最初の発見者は1886年にこの石を採集していましたが、新種の鉱物とは思わず、その2年後に新鉱物であることが特定されたそうです。透明度のあるものは磨くとガラス光沢があり、独特の美しさを持ちます。1方向に劈開が完全なため研磨が困難で、ルースカットされることは非常に稀です。
無色から黄色、緑、ピンクなど、産出される条件や地域によって様々な色を持ちます。カルシウムとベリリウムを組成に持ち、あまり強くはないものの紫外線ライトで蛍光する性質を持つ蛍光鉱物です。ルースだけではなく原石標本でもコレクター人気の高いレアストーンとして知られています。
ピンク系の宝石の中でも希少中の希少とされている宝石です。見る角度を変えると色が違って見える多色性があり、ピンクに見えたり、カラーレスに見えたり、または少し濃い目のローズに見えたり、色の濃淡が楽しめるものもあります。原石自体の採掘量がほぼ無いに等しい希少石中の希少石です。
世界で唯一、北海道のみで見つかっている北海道石。「ほっかいどうせき」と読みます。2023年に新種鉱物としてIMAに承認されました。蛍光鉱物であり、さらには有機鉱物であるという非常にレアな結晶で、同産地のオパールの中に内包されています。この北海道産のオパール自体が蛍光するオパールとしても希少なもの。レアを重ね掛けしたようなミラクルに出会える、希少鉱物です。
大きな結晶になりにくく、さらに無色ではあるものの白濁しているものが多いため、宝石質でルースカットされることが非常に少ない希少宝石です。オイル感のある光沢が特徴で、劈開もなく、モース硬度も宝石として十分な硬度を持っています。そのため、カッティングにより輝きが引き出された透明度の高いルースは特に美しく、カラーレスのレアストーンの中でもコレクター人気の高い宝石です。
紺碧、インディゴブルーの独特な色合いで、光を通すとやや青緑色に見えるガラス光沢のある鉱物です。1891年(または1897年)にボレアイトと鑑別され、発見地であるメキシコのボレオ地区に由来して名づけられました。メキシコ・ボレオ地区のサンタロザリア鉱山は30年ほど前に閉山し、新たな鉱脈は発見されておりません。現在は当時見つかった原石標本が少量流通しているのみという希少石です。
TOPSTONE取り扱い
希少石一覧 -マ行-
レアメタル『タンタル』を含む鉱物です。マンガノタンタライトほど重くはないものの、このマイクロライトも比重が4.2-6.4とそこそこの重量級です。産出自体は世界中でみられますが、結晶は母岩に散りばめられたような状態、もしくはその微細な結晶が集合した塊のような状態で見つかり、なおかつ非常に小さなものが多く硬度も高くないため、単結晶でルースカットされたものはほとんど出回りません。
鉄の酸化鉱物で、スピネルグループに属します。大きな特徴として、強い磁力を持った鉱物です。実際磁石に近づけてみるとしっかりとくっつきます。見た目や特徴が磁力のあるヘマタイトに非常に似ていますが、ヘマタイトはヘマタイトグループの鉱物で、マグネタイトとは別のグループに属します。ヘマタイト(赤鉄鉱)の酸素の比率が増えるとマグネタイト(磁鉄鉱)へ変化し、その過程で強い磁気を帯びるようになります。磁気を帯びたヘマタイトがマグネタイトよりも磁力が弱いのはそのためです。
カラーレスから淡いピンクやパープルの色合いを持っています。ターフェアイトとよく似た性質を持ち、産出量というよりも鑑別によって選び抜かれたものがようやく見つかるというレアさで、博物館級の希少石とされるターフェアイトの中から、さらに詳細な鑑別によって寄り分けられたマスグラバイトが数ピース見つかる、という奇跡的な確率で出会える希少宝石です。
通常は不透明で黒いものが多いのですが、タンタライトにマンガンが多く含まれることにより赤く発色した、コロンバイトグループの鉱物タンタライトの変種です。特徴は、屈折率・分散度の高さで、それぞれダイヤモンドやスファレライトに匹敵するほどの、鑑別の測定限界値を超える高さを誇ります。比重も高く、宝石界最重量級とされるシナバーに近い8を超える重さです。
4種に分かれるアキシナイトの内、最も稀産種はマグネシオアキシナイト。次いで稀産種がマンガンアキシナイトです。主に褐色ですが、マグネシオ/マンガンのタイプはブルーからパープルの色合いの結晶も産出します。アキシナイトは結晶の形が特徴的で、原石標本のままでも非常に高い人気があります。劈開もあることから宝石カットには向かず、ルースとしての流通は極めて稀です。
紫外線で蛍光する蛍光鉱物、さらに有機鉱物であるという非常に珍しい宝石です。和名を蜜蝋石といい、ギリシャ語で蜂蜜を意味するmelisが由来となって名づけられています。別名ハニーストーンとも呼ばれ、その名の通り、黄金色の美しい結晶に成長しますが、稀にカラーレスのタイプも存在します。
旧チェコスロバキア・モルダウ川周辺の約5500平方kmの範囲で発見される【テクタイト】グループに属する天然ガラスです。今からおよそ1500万年前、ドイツに落下した隕石の衝撃によるエネルギーで地表の岩石が瞬時に溶け、空中を飛散しながら急激な速度で冷えて固まり、落下地点からなんと250km以上はなれたモルダウ川周辺に降り注ぎました。それがモルダバイトです。
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希少石一覧 -ヤ行-
大きな結晶には成長せず、ユーディアライトが含まれた原石は小さな赤い粒が点在したような状態で産出します。そのため純粋なユーディアライトのみの結晶部分が少なく、宝石ルースとしてカッティングができる結晶となると、希少性はさらに高まります。ガーネットやルビーに間違われるほどの鮮やかな赤色が特徴です。
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希少石一覧 -ラ行-
カラーレスからライトブルー、また濃青や濃く緑がかったブルーまでの多色性を持ち、より高品質なものはグランディディエライトやインディゴライト、ロイヤルブルーサファイアのような美しいブルー系の色合いをしています。含まれる鉄によって濃いブルーカラーに発色し、その鉄がマグネシウムに置換するほどに淡い色合いに変わります。小さな結晶が多く、ルースカットはほとんどされない希少石です。
数あるジルコンのカラーバリエーションの中でも、特別視されているのがこの<ラタナキリブルー>。カンボジアで産出される、トップオブブルージルコンです。現地の人々意外には秘匿された鉱脈から手作業で採掘される特別な輝きを持つラタナキリブルージルコンは、色合いはもちろん、輝きも最高クラスです。
トリフィライトの持つ鉄成分がマンガンに置き換わることでオレンジ色に発色したリン酸塩鉱物の変種です。両者は完全な固溶体を作ることでも知られており、鉄が多いとトリフィライト、マンガンリッチでリチオフィライトと鑑別されます。トリフィライトはわずかに変色性を持ち、リチオフィライトになるとその特性はなくなりますが、代わりに鮮やかな色合いを持つようになります。
ジルコンはカラーバリエーションが豊富な宝石ですが、それ以外の要素、リバースカラーチェンジという特別な変化を見せるものがあります。リバースカラーチェンジとはその名の通り、カラーチェンジの逆の変化が見られ、さらに白熱灯ではなくLEDの白い光で変化する、特別なカラーチェンジです。
エジプト国境近くのリビア砂漠で採取されるレモンイエローの天然ガラス。ツタンカーメン王墓から発見されたリビアングラスでできたスカラベが有名です。約2800年前、隕石が地表に落下した衝撃によって地表の石や砂などが瞬間的に溶解、ガラス化したものです。内部には隕石の落下当時の気泡や、石英の高温結晶形であるクリストバライト(白い粒上のもの)があり、このリビアングラス固有の個性的な特徴となっています。
結晶の形状が柘榴石と似ていることから、白い柘榴石のような結晶の鉱物=白榴石と名づけられた宝石です。原石の産出量は多いもののそのほとんどは低品質で、ジェムカットされるような宝石質の化粧はほとんど採れず、ルースとしてはほとんど出回りません。オパール以外で遊色効果が現れる非常に珍しい宝石として、コレクター垂涎の希少石です。
美しい虹色の光の格子がルースの上に浮かび上がる『虹の格子のサンストーン』と名づけられた宝石です。この鉱物のベースはいわゆるムーンストーンです。ムーンストーンにアベンチュレッセンスが含まれることは鉱物として非常に稀で、この希少な<ムーンストーン+アベンチュレッセンス>のベースに<虹色の格子状の光が重なる>レアとレアの掛け合わせは、これ以上ないほど奇跡的な存在です。
「一度は手にしてみたいレアストーン」とまで言われるほど、コレクターたちの中でも特に高い人気を誇る宝石です。水分を全く含まないという特異な性質を持ち、数あるベリルグループのカラーの中でもエメラルドと並び称されるほどに別格の存在です。産地はアメリカのユタ州のみで、過去の産出量はごくわずか。さらに現在は全く産出されておらず、それによってバイヤーたちの手から手に割って流通していることで価格がより高騰し続けています。
ローディザイトとロンドナイトが鑑別によって分けることが可能になったのは1999年。アンブリゴナイトとモンテブラサイトの関係のように、それまではすべてローディザイトとされていました。無色からイエロー、イエローグリーンの色合いがあります。採掘場所は大型の重機が入ることができない非常に厳しい条件下にあり、採掘できる原石も宝石質のものはごくわずかということからも希少性の高さがうかがえます。
2019年にマダガスカルで発見され、新種の鉱物として登録されたばかりの宝石で、異なる角度で見た際に、一部分はブルー、反射して見える色はイエローというように、ブルーとイエローの強い2色性を持っています。2015年に世界で最も高価な宝石3位に輝いたという話題を持ち、現在はマダガスカル政府が国の宝として輸出規制がかけられているほど…。そのためコレクター間では『幻の宝石』と呼ばれる希少石です。