2023/06/14

虹色に輝くだけではない、様々な種類のオパールを楽しもう

オパールと聞いてどんなイメージをお持ちになるでしょうか。オパールといえば10月の誕生石で、イギリスのビクトリア女王が愛した宝石としても有名です。ホワイトやブラックの地色に7色の光が輝く姿は幻想的でエレガント。特別な美しさがあります。そんなオパールには多くの種類があることをご存知ですか?一言では語り尽くせないオパールの魅力に迫ってみましょう。


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【プレシャスオパールとコモンオパール】

オパールは大まかに分けて2種類に分けられます。7色の輝き(斑)が出るものをプレシャスオパール、出ないものをコモンオパールと呼び、どちらも全く違う美しさを持っています。

1.プレシャスオパール

プレシャスオパールの一番の魅力はゆらめく7色の輝きです。この様々な色が見る角度によって多彩に変化する現象を といいます。

なぜこのような不思議な光が出るのでしょうか。オパールは実は小さな球状、塊状になったシリカ粒子の集合体です。その大きさは0.1ミクロン程度で、拡大してみると人工的に並べたかのように規則正しく揃っています。

それに光が当たると曲がったり分散したりしながら色んな色に分解され、7色の光を放ちます。私たちが見ている遊色効果は小さな粒子の集まりが生み出した光のマジック。斑の出方は様々で、色んな名前がつけられています。

■ブラックオパール

    オパールの中でも最も希少性が高く高価と言われているオパールです。厳かで重厚感があり、最上級という言葉が似合う宝石です。遊色効果はまるで夜空に輝く満天の星のように見えます。

    ブラックオパールの特徴

    ブラックオパールはバブル期の日本でも非常に人気がありました。世界の産出量の半分が日本に輸入されていた時期もあったそうです。ブラックオパールは大ぶりなものが多く、華やかでありながら上品さがあるので日本人の感性にぴったりだったのでしょう。

    ブラックオパールのカラー

    ブラックと名付けられていますが、色はグレーからブラックまで幅があります。ブラックは非常に力強く遊色効果とのコントラストが素晴らしく、グレーはレトロで柔らかな雰囲気があります。ブラックなのでわかりにくいですが、透明度は半透明から不透明までありますよ。

    ブラックオパールの産地

    ブラックオパールがなぜ希少性が高いと言われているかというと、産出される場所が限られていて、産出量が非常に少ないからです。出回っているブラックオパールのほとんどがオーストラリア産と言われています。特にニューサウス・ウェールズ州のライトニング・リッジは高品質なものが採れることで有名です。

    ハイクオリティのブラックオパールとは

    ブラックオパールは地色のブラックが濃く不透明で、鮮やかな遊色効果が全体に広がっているものがハイクオリティです。斑の最高の色は昔からレッドと言われています。その後オレンジ→グリーン→ブルーと続きますが、遊色効果が鮮やかに出ているかが大前提となります。また、遊色効果のパターンで人気があるのはハーレークインと呼ばれる大きめのマダラ模様です。

    ■ホワイトオパール

      地色がホワイトのものをホワイトオパールと言います。比較的量が取れるため、オパールといえばこちらを思い浮かべる方もいらっしゃるのではないでしょうか。晴れた空の雲に虹がかかっている様な清々しく朗らかな美しさがあります。

      ホワイトオパールの特徴

      ホワイトオパールはオパールの代表と言ってもいいのではないでしょうか。産出量が多いだけでなく大きな塊で見つかることもあります。オーストラリアで採れた母岩は香港とドイツに輸出され、そこで研磨されてまたオーストラリアが輸入しています。小さい宝石は輸送コストを抑えられるため、美しいカットを施すためにより良い加工場に送ることがあるそうです。

      ホワイトオパールのカラー

      半透明から不透明で、ホワイトから乳白色までの色があります。白いキャンバスに絵の具の色が映えるように、ホワイトオパールは遊色効果がより美しく見えるカラーです。

      ホワイトオパールの産地

      ホワイトオパールの最も有名な産地はやはりオーストラリアです。オーストラリアはオパール最大の産地として有名で、お土産屋さんには多くのオパールが売られています。ホワイトオパールはニューサウスウェールズ州のホワイトクリフ地域、また南オーストラリア州のミンタビー、アンダムーカ、クーバーペディなどで採掘されます。

      ハイクオリティのホワイトオパールとは

      地色が白く、遊色効果が多彩で鮮やか、尚且つ全体にバランスよく出るものがハイクオリティになります。遊色効果は赤色が最も良いとされています。カットは程よい山形のオーバルカットが好まれています。左右対称になっているかどうかもポイントなので購入の際は気にかけてみてください。

      ■ファイヤーオパール

        プレシャスオパールの中でも一際インパクトがあるオレンジ色をしたオパールです。遊色効果のゆらめく様子がまるで炎の様に見えることからこの名がつけられました。バブルが過ぎてから日本で出回ることが少なくなりましたが、最近はまた少しずつ市場で見かけるようになってきたそうです。

        ファイヤーオパールの特徴

        ファイヤーオパールは元気の出るカラーが魅力ですが、遊色効果が出にくいオパールです。

        遊色効果のないものも多く、そういったものはファセットカット(ダイヤモンドのような角があり、キラキラと輝くカット)されることが多いです。

        遊色効果が出ないものもファイヤーオパールと呼びます。ファイヤーオパールは中に含まれている水分量が多く、ブラックオパールなどと比べると比重が軽いです。乾燥に弱いため、エアコンの風が直接当たるような場所に放置し続けないようにしましょう。

        ファイヤーオパールのカラー

        カラーはイエロー、オレンジ、レッドです。透明なものから半透明なものまであり、透明なファイヤーオパールをファセットカットすると光が入り美しいモザイク模様が見えるものもあります。初めてみた人はオパールだと思わないかもしれません。それぐらいガラッと印象が変わります。

        ファイヤーオパールの産地

        一番有名な産地はメキシコです。特にケレタロ州では美しいファイヤーオパールが取れます。基本的に鉱山は人が踏み込めないような状態になっていることが多いのですが、この鉱山は現在観光地になっていて、街は世界遺産にもなっているそうです。

        ハイクオリティのファイヤーオパールとは

        ハイクオリティなファイヤーオパールは遊色効果が全体に出ており、さらに7色の輝きが地色に負けないほど強く美しいのが特徴です。地色はどの色であっても評価はあまり変わりません。形は左右対称でカボションカットの山形が低過ぎず高過ぎないものが良いと言われています。

        ■ウォーターオパール

          まるで水滴のような透明なオパールのことをウォーターオパールと呼びます。遊色効果が華やかな印象のオパールですが、このウォーターオパールは優しさ、愛らしさを感じます。

          ウォーターオパールの特徴

          プルンとしたゼリーのようで清涼感があり、遊色効果が水に浮かんでいるように見えるのが魅力です。ファイヤーオパールと同じく、多くの遊色効果が出るものは稀です。水分量が多く乾燥に弱いので、乾燥しやすい場所に放置しないようにしましょう身につけて自然に湿気を与えることができるそうなので積極的につけていきましょう。

          ウォーターオパールのカラー

          透明から亜透明という範囲(宝石の透明度を5段階で評価した際の上から3番目程度まで)で、透明感がないものはウォーターオパールにはなりません。色はカラーレスからやや乳白色まであり、遊色効果が出るものは神話の中に登場するような神秘的な魅力があります。遊色効果がないものは本当に水滴のように見え、逆にこの状態が好きという方もいらっしゃると思います。

          ウォーターオパールの産地

          ファイヤーオパールと同じくメキシコが一番有名な産地です。アステカ文明ではジュエリーに使われていたそうです。アステカ文明は14世紀半ばからメキシコシティを中心に栄えた文明です。オパールはモース硬度5−6と低く、加工するのがとても難しい宝石です。当時の技術の高さがわかります。

          ハイクオリティのウォーターオパールとは

          無色透明で、鮮やかな遊色効果が7色美しく全面に見えるものがハイクオリティです。ウォーターオパールはどうしても透明なのでインクルージョン(内包物)がよく見えてしまいます。ハイクオリティなものほどインクルージョンや傷、割れがなくプロポーションも良いものが多いです。

          ■ボルダーオパール

            他のオパールとは違い、ボルダーオパールは母岩と一緒に研磨された宝石です。繊細な輝きがありながら鉱物感も楽しめるため、様々な楽しみ方ができるのが魅力です。とてもアーティスティックな宝石なのです。

            ボルダーオパールの特徴

            ボルダーオパールは母岩の中の帯状になったオパール層を活かすため、その部分を母岩がついた状態で切り出して加工しています。表側がオパールで裏側が母岩になっていたり、母岩が表側にもみられることがあります。また形も原石のまま活かすことが多いので、色々な形のものが特徴です。バロック型のボルダーオパールはどれも個性的で、デザイナーの手によって唯一無二なジュエリーに仕立て上げられることも多いです。

            ボルダーオパールの種類

            ボルダーオパールはオパールの中でも特に多様性がある宝石。母岩とオパールの見え方で呼び名がついています。表面全体にオパールが出ているものをフルフェイス、上から見た時にオパールだけでなく部分的に母岩が見えているものをパーシャルフェイスと呼びます。

            ボルダーオパールの産地

            オーストラリアのクイーンズランド州が最も有名です。ボルダーは「岩の塊」という意味で、この地域の丸い石から見つかるためこの名前がついたそうです。

            ハイクオリティのボルダーオパールとは

            他のプレシャスオパール同様、7色が鮮やかで全面に出ていること、特に鮮やかな赤が入っているものは評価が上がります。ただボルダーオパールは他にもチェックするポイントがあります。オパール層が厚いもの、母岩の色が黒いものはボルダーオパールの美しさを引き立たせるということで高評価となります。左右対称な形が良いとされていますが、場合によってはバロック型でも素晴らしいボルダーオパールは多くあります。


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            2.コモンオパール

            コモンオパールは遊色効果がないオパールです。遊色効果が出ないかわりに地色の美しさを楽しめます。あまり馴染みのない方も多いかもしれませんが、コモンオパールの方が圧倒的に産出量が多いです。そのためプレシャスオパールよりも比較的お手頃価格で手に入りやすいですよ。色の美しさから世界的なハイブランドのジュエリーにも使用されることもあります

            ■ピンクオパール

              ピンクオパールはお菓子のような可愛らしいピンク色をしていて、よくジュエリーに使用されています。

              ピンクオパールの特徴

              ピンクオパールの魅力はやはりそのミルキーなピンク色です。まるでいちごミルクのような

              甘い色合いを楽しめます。ハイブランドのジュエリーにも使用されていますが、シルバージュエリーでカジュアルに楽しめる宝石です。透明度のあるものはファセットカットが施されることもあります

              ピンクオパールのカラー

              ピンクの中でも幅があり、淡いものからローズ系、濃いピンクなどがあります。透明度は半透明から不透明のものまで幅があります。

              ピンクオパールの産地

              ピンクオパールは比較的多くの場所で採掘されています。オーストラリア、ペルーが主な産地で、メキシコ、ブラジルでも見つかるそうです。

              ハイクオリティなピンクオパールとは

              遊色効果のないコモンオパールは色がとても大切になります色むらがなく、濃いものが希少で評価が上がります。インクルージョンが少なく透明度が高いものの方が良いとされています。

              ■ブルーオパール

              春のような爽やかなブルーが目に映えるオパールです。ミルキーさも兼ね備えていてオパールらしい優しい雰囲気を併せ持っているように思います。ジュエリーに加工されることもあれば、丸くカットして紐を通しビーズや数珠のようにつける場合もあります。

              ブルーオパールのカラー

                グリーンブルーからブルーまであり、中には絵の具を垂らしたような鮮やかなものもあります。華やかで思わず目を奪われてしまいます。半透明なものから不透明なものまであり、それぞれの色の濃さで印象が変わります。全くちがう宝石のように感じることがあるかもしれません。

                ブルーオパールの産地

                ピンクオパールと同じくオーストラリアとペルーが主な産出国です。ですが日本の石川県赤瀬でも産出されたことがあるそうです。

                ■ハイアライトオパール

                  ハイアライトオパールは一見ただの淡い色をした宝石です。ですが他のオパールにはない魅力が隠されています

                  ハイアライトオパールの特徴

                  ハイアライトオパールはブラックライトを当てるとグリーンのネオンカラーを発します。蛍光色に輝く様子はLEDライトのように鮮やかで、ライヴ会場に来たような高揚感を楽しめます。

                  ハイアライトオパールのカラー

                  あまり濃いカラーのものはなく透明感があるのが特徴です。ブルー、グリーン、イエローなどがありますがどれも淡く、無色透明のものもあります。


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                  3. オパールは好きなものを選ぼう

                  一口にオパールといってもその種類は様々で、どれも違った魅力があります。プレシャスオパールはブラックオパールやホワイトオパールのような遊色効果が美しく、様々なパターンで私たちを楽しませてくれます。コモンオパールは地色の美しさを堪能できるもの、意外性を楽しめるものなどがありました。

                  種類が豊富でそれぞれが全く印象の違うオパール。自分にピッタリのオパールを探してみてください。


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                  4. まとめ

                  プレシャスオパールとコモンオパールの違い、主な種類をご紹介いたしましたがいかがでしたでしょうか。オパールは同じ種類であっても遊色効果のパターンや色が違い、見れば見るほど奥深さを感じる宝石です。素敵なオパールとの出会いがありますように!


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                  Yuki.O

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