2023/06/27

ダイヤモンドが世界中で人気の理由は?ダイヤモンドの魅力を専門家が徹底解説!

美しく繊細な輝きを放つダイヤモンド。古くから世界中で多くの人々に親しまれ、愛されてきた宝石のひとつです。

現代でも婚約指輪や自分へのご褒美として人気のダイヤモンドは、私たちにとって身近な宝石といえるでしょう。しかしダイヤモンドがどのような宝石で、どこが魅力的なのか、詳しく説明できる人は少ないかもしれません。

そこでこの記事では、ダイヤモンドの基礎知識から楽しみ方まで、ダイヤモンドの魅力を詳しくご紹介します。20年以上天然石の卸売に携わる宝石のプロTOP STONEが、宝石初心者の方にもわかりやすく解説しますので、ぜひ最後までチェックしてみてください。


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1.宝石・ルースとしてのダイヤモンド

まずはダイヤモンドについて最初に知っておきたい基本的な知識を解説します。ダイヤモンドがどのような宝石なのか、詳しく見ていきましょう。

■高品質なダイヤモンドとは

ダイヤモンドの品質はカラー(色)、カット(輝き)、クラリティ(透明度)、カラット(重さ)の4つの要素で評価されます。4つの要素にはGIA(米国宝石学会)が定めた世界共通の評価基準があり、それぞれの頭文字を取って「4C」と呼ばれます。

4つの要素すべてにおいて高い基準を満たしているものが、最高品質のダイヤモンドといえます。GIAが定めた評価基準は以下のとおりです。

カラー(色)

無色透明な宝石のイメージが強いダイヤモンドですが、実際は薄く色がついているものが多くあります。無色透明に近いものほど不純物が少なく、希少価値が高いダイヤモンドです。

ダイヤモンドのカラーは、GIAの評価基準でDからZまで23段階のアルファベットで評価されます。完全な無色透明が最高ランクの「D」で、ランクが下がるにつれて黄色味を帯びていきます。

素人では微妙な色の違いを判断するのは難しく、専門家による鑑定が必要です。

カット(輝き)

カットは宝石自体の品質ではなく、人の手によって加えられる要素です。カットの品質でダイヤモンドの輝きは大きく変わります。高い技術を持つ職人の手で優れたカットが施されることで、ダイヤモンドの美しさと輝きが最大限に引き出されるのです。

カットは仕上がりの形状や対称性、カット面の輝きなどさまざまな要素から総合的に評価されます。エクセレント、ベリーグッド、グッド、フェアー、プアーの5段階で評価が決まります。

クラリティ(透明度)

クラリティはダイヤモンドの透明度の評価です。天然素材であるダイヤモンドには、内包物(インクルージョン)や小さな傷が見られることがあります。

顕微鏡で10倍に拡大し、内包物の有無やサイズ、位置などを総合的に判断して、透明度の評価が11段階で決まります。内包物が少ないほど透明度が高く、美しく輝くため、価値が高いダイヤモンドです。

カラット(重さ)

カラットはダイヤモンドの重さのことです。1ct(カラット)は0.2gに相当し、カラットが大きいほど価値が高くなります。

■ダイヤモンドの輝き

ダイヤモンドの輝き方はカットによって異なります。優れたカットが施されたダイヤモンドは内部の光の反射が最大限に活用され、強く美しい輝きを放ちます。

さらに、他の宝石と比べ屈折率が高いことも、ダイヤモンドならではのまばゆい輝きにつながっています。

屈折率とは光が空気中から物質の中へ入り、通り抜ける間に折れ曲がる度合いのこと。屈折率が高いほど取り込んだ光をよく反射するため、輝きが強く見えるのです。

また、ダイヤモンドの輝きはブリリアンシー(ブライトネス・ブリリアンス)、ディスパーション(ファイア)、シンチレーションの3つの要素によって成り立っています。

ブリリアンシー
(ブライトネス・ブリリアンス)
ダイヤモンド内部に入った光が屈折し上部へ反射すること。白色の光。
ディスパーション(ファイア) ダイヤモンド内部に入った光が屈折をくり返しプリズム効果で七色に輝くこと。
シンチレーション ダイヤモンドのカット面がフラッシュのようにチカチカと輝くこと。

これら3つの要素が組み合わさり、ダイヤモンド特有の上品で美しい輝きが生まれます。

■ダイヤモンドの魅力

ダイヤモンドは「宝石の王様」と称されるほど、宝石として高い人気を誇ります。

他にはない美しく上品な輝きはダイヤモンドならでは。見る角度やカットによって輝き方が変わり、常に新鮮な魅力を持ち続けていることも、ダイヤモンドが人気の理由といえるでしょう。

また、ダイヤモンドはモース硬度10の鉱物で、高い耐久性を持ちます。硬くて丈夫かつ永遠に美しく輝く宝石であることから「永遠の愛」の象徴とされ、婚約指輪の宝石としても非常に人気があります。

さらに、ダイヤモンドジュエリーは普段使いからフォーマルなシーンまで、幅広く使えるところも魅力です。シーンを問わず長く使えるため、さまざまな年代の方に愛されています。大切な方へのプレゼントや自分へのご褒美としても人気です。

一般的には無色透明のイメージが強いダイヤモンドですが、「ファンシーカラー」と呼ばれるカラフルなダイヤモンドもあります。イエローやピンク、ブルー、グリーン、パープルなどさまざまな色があり、個性的で美しい色合いが特徴です。

ファンシーカラーダイヤモンドは人工的に着色されたものではなく、天然の化学的な不純物、あるいは圧力や温度の変化などの自然現象によって色が付いたものです。そのため希少価値が高く、ジュエリーコレクターや海外セレブなどからも人気があります。

■ダイヤモンドの産地

ダイヤモンドは、世界のなかでもいくつかの地域でのみ採掘される希少な宝石です。以下に主要なダイヤモンドの産地を紹介します。

ロシア

近年ダイヤモンド採掘の中心となっているのがロシアです。ロシア産のダイヤモンドは高品質で大粒なものが多いことで知られています。

アフリカ

南アフリカ共和国は、最も早い時期にダイヤモンド採掘国として注目を集めた歴史ある産地です。

他にもアフリカ大陸ではボツワナ、ナミビア、コンゴ民主共和国、アンゴラ、ジンバブエなど、さまざまな国と地域でダイヤモンドの採掘が進められています。高品質で大粒のダイヤモンドが多く採掘されています。

カナダ

カナダのなかでもノースウエスト準州、ヌナブト準州、オンタリオ州、クエベック州などが主な産地です。カナダ産のダイヤモンドはエシカルな採掘でも知られ、人気を集めています。

2.鉱物・原石としてのダイヤモンド

ダイヤモンドは、磨かれる前の原石にも多くの魅力がつまっています。ここでは鉱物としてのダイヤモンドについて詳しく紹介します。

■組成について

英名 Diamond(ダイヤモンド/ダイアモンド)
和名 金剛石(こんごうせき)
成分 C(炭素)
結晶系 等軸晶系
モース硬度 10
比重 3.52
屈折率 2.42
劈開 完全
主な産地 南アフリカ共和国、ブラジル、オーストラリア、コンゴ、ロシア、カナダ、 ガーナ、ナミビア、アンゴラなど

ダイヤモンドは化学組成や結晶構造が他の鉱物とは異なり、鉱物界のなかでも独特な存在です。

ほとんどの鉱物は複数の元素の組み合わせでできているのに対し、ダイヤモンドは単体の元素(炭素)の結合からできています。単体の元素からなる鉱物を「元素鉱物」と呼び、宝石として使われているのはダイヤモンドのみです。

ダイヤモンドと同じく炭素のみでできているのが、鉛筆の芯でおなじみの石墨(黒鉛・グラファイト)です。ダイヤモンドと石墨のように、同じ化学組成でも形成過程や結晶構造が異なる現象を「同質異像」といいます。

石墨は六方晶形と呼ばれる層状の結晶構造を持つため、原子同士がはがれやすくやわらかい性質があります。

一方、ダイヤモンドの結晶構造は等軸晶系で、炭素原子が基本的に全方向に等しく配列しています。原子同士の結びつきが強いため、ダイヤモンドは非常に硬く傷がつきにくいのです。

ただし、ダイヤモンドには一定方向からの衝撃に弱いという特徴もあります。強い衝撃を加えると、意外と簡単に割れたり欠けたりしてしまうことがあります。硬くて丈夫だからと油断せず、大切に取り扱ってください。

■ダイヤモンドの原石

ダイヤモンドの原石の形状で特徴的なものをご紹介します。

ソーヤブル

ソーヤブルの語源は英語の「saw(のこぎり)」+「able(切れる)」。三角形を上下に貼り合わせた正八面体のような美しい形の原石です。ダイヤモンドの原石の形はいくつかありますが、美しい形状で産出するソーヤブルダイヤモンドは原石として非常に希少です。

ソーヤブルダイヤモンドを上下2つに切り分け、カットを施すことで美しいダイヤモンドのルースが完成します。代表的なカットはラウンドブリリアントカットです。

マクル(マクレ)

マクルは薄い三角形に近い形状の原石です。もともと八面体だった原石の三角形の部分のみが融解し、その結晶同士が接触してひとつの結晶になったものです。

ダイヤモンドの結晶が美しい八面体の形状を持っていること自体がめったにないため、その面がズレなく接触しあってできたマクルダイヤモンドは非常に希少です。ハートシェイプやトライアングルにカットされて使われます。

マクルダイヤモンドについてはブログのこちらの記事でも解説しています。ぜひ合わせて読んでみてください。

■原石コレクターからみた魅力

ダイヤモンドの原石には、採掘されたままのダイヤモンドならではの自然な美しさがあります。

カットが施されたダイヤモンドの強い輝きこそありませんが、原石のままでも形が整っていたり、美しい透明感を持っていたりするものも多くあります。大きさや形状、色味などが石によって異なり、個性を感じられるのも魅力です。

コレクションとしてだけではなく、原石をリングやネックレスにしてオリジナルのアクセサリーとして楽しむこともできます。

■鉱物としてのダイヤモンド

ダイヤモンドは地球内部約130~200kmの奥深い場所で、摂氏2000℃・7万気圧以上の高温高圧の環境のなか、何千万から何億年以上もの時間をかけて形成されたといわれています。そして地殻変動によって、周囲の岩石を取り込みながら噴火するマグマの中に含まれ、地表まで運ばれました。

厳しい環境とさまざまな条件がそろい、唯一無二の原石ダイヤモンドが生まれたのです。自然が生み出した力強さとぬくもりを感じられるところも、ダイヤモンドが人々を魅了し続ける理由のひとつといえるでしょう。

3. ダイヤモンドをより楽しむために

ダイヤモンドはジュエリーとして身につけるのはもちろん、お守りやコレクションなどさまざまな楽しみ方ができる宝石です。

ここではダイヤモンドの歴史的背景や石言葉など、ダイヤモンドの知識をさらに深める情報をご紹介します。さまざまな魅力を知り、自分なりのダイヤモンドの楽しみ方を見つけてみてください。

■ダイヤモンドの歴史

ダイヤモンドが最初に発見されたのは、紀元前4世紀頃のインドだとされています。しかし当時は非常に硬いダイヤモンドを研磨する方法がなく、美しい輝きを秘めていることはほとんど知られていませんでした。

その後ヨーロッパに伝わり、古代ギリシャやローマでダイヤモンドは神聖な石とされ、お守りや魔除けとして重宝されました。

中世になると研磨の技術が確立され、ダイヤモンドは貴族階級の間で流行します。王冠や王妃たちの宝石に用いられるようになりました。

そして19世紀頃には南アフリカを中心に大鉱脈が複数発見されたことで、ダイヤモンドの歴史は大きく変化します。産出量が一気に増加し、世界中の人々がダイヤモンドに魅了されるようになったのです。

その後、広告業界が「ダイヤモンドは永遠の輝き」というキャッチコピーを生み出し、プレゼントや婚約指輪の代表的な宝石として、現在のように身近な存在になりました。

■ダイヤモンドのカット

ダイヤモンドは適切にカットしたり磨いたりすることで、美しい輝きや透明感を最大限に引き出せます。ダイヤモンドのカットにはさまざまなバリエーションがあり、どのようにカットするかで輝き方も変化します。

カットの種類ごとの特徴を知り、好みの形や輝き方を見つけるのもダイヤモンドの楽しみ方のひとつです。ここでは代表的なダイヤモンドのカットの種類をご紹介します。

ラウンドブリリアントカット 最も一般的で人気のカットで、婚約指輪の定番の形。ダイヤモンドの輝きを最大限に引き出せるよう緻密に計算された58面体が特徴。
オーバルカット 楕円形が特徴的なカット。細長い形が指を長く見せてくれるため指輪用に人気。
プリンセスカット 四角形でスタイリッシュなフォルムのカット。バランスがよく上品な輝きで人気。
エメラルドカット 長方形で四方の角に面が施されたカット。カット面が少なく平面が広いため、透明度の高さが活かされる。
アッシャーカット 正方形で四方の角に面が施されたカット。エメラルドカット同様、透明度の高さが活かされる。
ハートシェイプカット ハート型の比較的新しいカット。美しく繊細な輝きとかわいらしい形が人気。
ローズカット バラのつぼみのような形状のカット。研磨技術が未発達の時代に生まれた伝統的なカットで、オールドカットとも呼ばれる。

ダイヤモンドは時代によって新しいカットが生まれ、人々を魅了してきました。この他にもさまざまな種類のカットがあるので、ダイヤモンドを選ぶときにはぜひカットにも注目してみてください。

■アクセサリーやパワーストーンとして

上品な輝きを放つダイヤモンドは、指輪やネックレス、ピアスなど幅広いアイテムが人気です。

なかでも特に人気なのは、一粒ダイヤモンドのネックレス。カジュアルからビジネス、フォーマルまで幅広いシーンで使える一生ものなので、あらゆる年代の人々から人気があります。

また、ダイヤモンドの石言葉には「純潔・清浄無垢・純愛・永遠の絆」などがあります。そのため二人の固い絆や変わらぬ愛の象徴として、婚約指輪や結婚指輪の宝石に選ぶ人も多いのです。傷つきにくく非常に硬いダイヤモンドは、いつまでも変わらぬ愛を表現するのにふさわしい宝石といえるでしょう。


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4. まとめ

誰もが一度は憧れる人気の宝石、ダイヤモンド。私たちにとって最も身近な宝石のひとつといえるでしょう。

ダイヤモンドができるまでには長い歴史と幾多のロマンがあり、その希少性もダイヤモンドの魅力や価値を高めています。

ダイヤモンドの歴史や楽しみ方を掘り下げるほど新たな魅力が見つかり、より親しみがわくようになるはず。ダイヤモンドをすでに愛用されている方も、これから自分や大切な方のために購入を検討されている方も、ぜひダイヤモンドについてさらに理解を深めてみてくださいね。


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この記事を書いた人

ほしあゆみ

TOP STOneRY / 編集部ライター

トップストーン編集部がお届けする「トップストーリー」メディアでは、古くから愛されている誕生石の歴史やエピソード、最新のレアストーンの特徴、宝石の楽しみ方をわかりやすく解説しています。「天然石の魅力をもっと多くの方に知ってもらいたい」という想いで、個性溢れるライターが情報発信しています。