幻想的な七色の光を放つプレシャスオパール | 魅惑の輝きの秘密を解説!

オパールは10月の誕生石としても馴染みのある宝石です。コレクターアイテムとして世界中に愛好家がいます。
イギリスのヴィクトリア女王が愛した宝石としても有名で、他にも数多くの王族・貴族が好んでつけたそうです。日本ではバブル期にダイヤモンド、ルビー、サファイアの次に絶大な人気がありました。
オパールと一言で言っても、実は様々な種類があるのをご存じですか?虹色が出るものと出ないもの、透明度のないタイプと完全に透明なものなど…
今回はそんなオパールの中でも、虹色の光が美しく浮かぶ『プレシャスオパール』にフォーカスして、その特徴・品質・楽しみ方まで解説していきたいと思います。
『コモンオパール』も含めた オパール全般についてはこちらの記事で解説しています。
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1.宝石・ルースとしてのプレシャスオパール

オパールといえば七色の光がゆらめく幻想的な輝きを思い浮かべる方も多いはず。
この現象は
プレイオブカラー(遊色効果)
オパールなどにみられる、光の干渉で浮かぶ虹色の揺らぎ。
詳しい解説はこちら
と呼ばれる光学効果で、その魅惑のゆらめきは世界中の人々を魅了し続けています。
たくさんの種類があるオパールですが、そのすべてに遊色効果が出るわけではありません。
オパールの中でも遊色効果が出るものがプレシャスオパールと呼ばれています。
*プレシャスオパールに対して、遊色効果がないタイプのものはコモンオパールと呼ばれます。コモンオパールについては別の記事で詳しく解説する予定です。
■高品質なプレシャスオパールとは
まずはどんなプレシャスオパールが高品質とされるのか、その見分け方について見ていきましょう。石肌に虹色が浮かぶだけで、もう十分にどれも美しく感じますが、さらにくわしく知ることで、より面白い特徴に気が付くはずです。
プレシャスオパールには地色の種類や状態などによって、ブラック、ホワイト、ボルダーなど多くの種類があり、細かく分けるとそれぞれに基準が違う部分がありますが、大まかなトップクオリティの条件は決まっています。
まず
・遊色効果が鮮やかであること
・様々な色がオパールの表側全体に出ていること
がポイントです。
一般的に遊色効果の色はレッド→オレンジ→グリーン→ブルー→パープルの順に評価されますが、赤が出るから必ず評価が高くなるわけではなく、鮮やさと全体のカラーバランスがどうかも総合的に判断します。
なぜ色の出方で評価が変わってくるのでしょうか。
それは、この虹色を生み出すためにオパールの中で起こっている現象に理由があります。
遊色効果が生まれるためには、オパールの内部の珪酸(シリカ)と水の粒子が綺麗に整うことで作り出されますが、その際、それぞれの色を発生させる要因となる粒子の大きさが鍵を握っています。評価される順番通りに、レッドが最も大きな粒子、ブルーが最も小さな粒子となりますが、そもそもこの遊色効果を生み出す粒子は大きなものを作り出しにくい、という性質があります。
そのため、レッドは出現率が低くなり、高評価がつけられているわけです。
さらに、その下の地色によっても評価がかわります。遊色効果が美しく見える地色が高評価される傾向があり、その最高クラスがブラックオパールです。
形状も様々です。
オーバル型などきれいにカッティングされたものから、原石の風合いを残したままルースになったバロック型などもあります。バロック型は特に、不規則な凹凸面に遊色効果が見え隠れします。
■プレシャスオパールの種類と遊色効果について
さて、どの色の光が価値が高いかをまずはご紹介しました。ですが、ブルーだから、グリーンだから…とは評価しきれないのが宝石集めの楽しいところです。それぞれ好みの色合いや輝きの出方を選ぶのが、もっとも宝石を楽しむコツではないでしょうか。
プレシャスオパールの最大の魅力は、個性のある地色と七色の光が織りなす多様な美しさです。
七色の色が揺らめく様はプレイオブカラー(遊色効果)の名の通り、まるでオパールの中で光が遊んでいるように見えます。
そして一口にプレシャスオパールと言っても、種類によってその見た目や輝きは様々。そのプレシャスオパールの中に、さらにいくつか知っておきたい違いがあります。順を追ってみていきましょう。
同じプレシャスオパールでも種類が違うとその印象は全く異なってきますが、どれも奥深い魅力を持っています。
遊色効果の色も、3色ほどのものから7色が満遍なく入っているものまで配分も様々です。
また、遊色効果にはパターンがあり有名なものには名称がついています。
代表的なパターンをいくつかご紹介します。
名称 | 解説 |
ハーレークイン | 大きめの角張ったまだら模様の集まりで、中世のピエロが着ていた服の模様を表しています。 美しく最も希少価値が高いパターンと言われています。 |
リボン | 遊色効果が帯状に伸びてまるでリボンのように見えるパターンです。 流れるような色の移り変わりが魅力です。 |
フラッシュ | ある方向から見た時に強い閃光を放つパターン。 美しいフラッシュはドラマティックな鮮やかさをしています。 |
ピンポイント | 小さな色斑がたくさん密集していて、花畑のような繊細な美しさを楽しめます。 |
このように地色とその濃淡、遊色効果のパターン、七色の入り方、宝石の形など・・・プレシャスオパールはたくさんの要素が重なって一つの宝石となっています。
オパールは一つとして同じものはないと言われる理由はこのためです。
では、実際に手に入れる際にどのようなオパールを選べば良いでしょうか。
先述したクオリティ基準に沿ってハイクオリティを選ぶのも一つ。
そして自分の好みを優先する買い方もありだと思います。
いくら遊色効果の数が少なくても、形が歪でも、一つとして同じものがないオンリーワンのその佇まいが、自分の心を打つこともあります。
遊色効果についてはこちらの記事で詳しく解説しています。
■プレシャスオパールにまつわる逸話

オパールは長い歴史をもつ宝石のひとつで、そのミステリアスな姿から多くの逸話があります。
もしかしたら、オパールは「不幸の石」だという話を聞いたことがあるかもしれません。
一説によると、オパールはデリケートな石のため、昔の宝石職人にとっては取り扱いが難しく忌避されたと言います。
さらに1800年代に書かれた小説「Anne of Geierstein」の影響で、ヨーロッパを中心に「オパールは不幸の石」という迷信が広まったこともありました。
しかし遥か古の時代から、不思議な輝きをもつオパールには特別な力が宿ると信じられてきました。
例えば、古代ローマでは「神の石」として親しまれ、アラビアの伝説ではオパールは雷と共に空から落ちてくるものだと伝えられていました。
また、古代ギリシャではオパールを身に着けると病魔から守ってくれると信じられていました。
その神々しさすら感じる色とりどりの輝きを、人々はエネルギーに満ちた石だと考え、現在でも幸運の宝石として広く愛されています。
■プレシャスオパールの産地

オパールで最も有名な産地はオーストラリアです。
最も産出量が多く、さらにブラックオパールの産地でもあります。
先住民族のアボリジニが言い伝える多くの神話に多く登場し、オーストラリアの国石にもなっています。
また、メキシコも有名な産地の一つで、ウォーターオパール・ファイヤーオパールが見つかります。
最近注目されているのはエチオピアで、透明感のある黄褐色のオパールが大量に産出しています。
エチオピアオパールはひび割れが発生しやすい特性があるため、エアコンの風が直接当たるような場所に置きっぱなしにしないようにしましょう。
2.鉱物・原石としてのプレシャスオパール

前章でご紹介の通り、宝石としてのオパールは遊色効果や地色の違いなどが重なり合う多様な美しさがその魅力でした。
それでは次にプレシャスオパールを鉱物の観点から見ていきましょう。
■組成について
オパールの組成は次のようになります。
英名 | Opal(オパール) |
和名 | 蛋白石(タンパクセキ) |
成分 | 水和配化ケイ素(SiO2・nH2O) |
結晶系 | 非晶質 |
モース硬度 | 5.5−6.5 |
屈折率 | 1.44-1.46 |
劈開 | なし |
色 | 無色、白、黄、燈、黒 |
主な産地 | オーストラリア、メキシコ、エチオピア |
宝石は結晶しているものがほとんどですが、オパールはガラスなどと一緒の非晶質です。
結晶というものは点と線を使って立体的に構造図を書くことができるような、いわゆる【結晶構造】を持っているものですが、非晶質というのはこの構造を持ちません。卵の白身をイメージしてみてください。オパールは和名を蛋白石といいます。まさに白身が固まったかの如く、特定の分子の並びを持たない宝石です。
結晶はその分子配列によって、光を反射させたり多色性を見せたりしています。オパールはこの構造を持たない代わりに、オパールはシリカの粒子が規則正しく並んでいて、そこに光が反射することで遊色効果を起こしています。このことがわかったのは1960年。
実は、1960年にオーストラリアの科学者が電子顕微鏡を使って発見するまで、なぜこのような輝き方をするのかわかっていませんでした。宝石学に置いて、肉眼ではわからなかった様々なことが解明されてきたのもこのころからです。
■原石の形状

オパールは岩石の割れ目にシリカ粒子が積み重なって生成されます。
まるで岩石の隙間にオパールが染み込んでいるように見えます。母岩を割っている映像を見たことがあるでしょうか。何の変哲もない岩の塊の隙間に浮かぶ遊色効果を持ったオパールは、非常に美しく、その見た目をそのまま母岩ごとカットして楽しむことも。
メキシコでは火成岩のガスが抜けた後の空洞部分にオパールが出来上がることがあり、これをカンテラオパールと言い、宝石としても扱われています。
■原石としての楽しみ方

オパールの原石も楽しみたいならボルダーオパールがいいかもしれません。
ボルダーオパールは母岩とともにカットされているため、母岩とオパールの美しさ両方を楽しむことができます。
一般的にはカットされた宝石の前面には母岩が出ていない方がハイクオリティと言われます。
ですが鉱物として楽しむなら、むしろ母岩とオパール層が入り混じっているものの方が魅力的な時があります。
自然の神秘を目の当たりにすると、オパールがいかに特別な状況で生まれてきたのかがわかります。
3. プレシャスオパールをより楽しむために

オパールといえばリングやネックレスのようなハイジュエリーをイメージする方が多いかもしれませんが、実はもっと気軽に楽しめる宝石でもあります。
誕生石や石言葉などオパールの意味を楽しんだり、アクセサリーとして楽しむ方法をご紹介します。
■誕生石・石言葉

オパールは1912年にアメリカ宝石商組合によって10月の誕生石と認定されました。
今では日本でも、トルマリンとともに10月誕生石として広く親しまれています。
誕生石は元は星座石と呼ばれる12の星座と宝石が結び付けられていて、自分の星座石を持つと幸運になると言われてきました。
これがのちに星座ではなく誕生月に変化していき、今の形になりました。
石言葉は「幸せ」「希望」「潔白」です。
きっと古くから信じられていたオパールの逸話を元に決められたのではないでしょうか。
オパールの美しさは見る人を幸せにしてくれるような気がします。
■ビーズやアクセサリーへの加工は?

オパールはハイジュエリーにするばかりではありません。ビーズとして穴を開けてネックレスとして楽しむこともあります。
エチオピアオパールのボタンカットのビーズなどは根強い人気があるようです。オーストラリア産のオパールは比較的水分量が少ないため割れにくいという特性もあります。ブレスレットなどはぶつかったときの衝撃が心配ですが、ネックレスやペンダントなら気軽に取り入れられますね。気軽に楽しめるビーズアクセサリーから楽しむのもおすすめです。
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4. まとめ
オパールは多様な魅力で人の心を掴みます。
ハイクオリティなオパールはまるで花火のように煌びやかでゴージャス、多くの貴族に愛されてきました。
もちろんジュエリーだけでなく、ビーズのようなカジュアルな楽しみ方もいいですね。
鉱物として楽しむのであれば原石、ルース(裸石)で持っておくのもオススメです。
見れば見るほど好きになるオパールはあなたの生活を心豊かにしてくれることでしょう。
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この記事を書いた人

Yuki.O
TOP STOneRY / 編集部ライター
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