【美しい青色で注目度アップ!】ガーナイトの特徴を徹底解説!スピネルとの関係は?

美しいコバルトブルーが魅力の「ガーナイト」ですが、緑色などのシックな色もあることをご存じでしょうか?美しい色が特徴的なガーナイトは、スピネルとも深い関係があります。
この記事では、ガーナイトの特徴や魅力を徹底的に解説していきます。スピネルとの関係についてもご紹介するので、ぜひガーナイトの魅力に触れてみてください。
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1.宝石・ルースとしてのガーナイト

最初に、宝石としてのガーナイトについてご紹介します。最高品質のガーナイトとはどのようなものなのか、そしてガーナイトの特徴や魅力は何かについて見てみましょう。
■高品質なガーナイトとは

ガーナイトの中で価値が高いとされ近年注目されているのが、「コバルトガーナイト」です。一般的なガーナイトは落ち着いた深い緑色をしていますが、コバルトガーナイトは、まるで海を思わせるコバルトブルーを呈しています。
コバルトガーナイトの中でも、透明度が高く色が鮮やかなものは、特に高品質と評価されます。このコバルトガーナイトは、1ct以上の原石がほとんど見つかりません。
そもそも宝石品質のものは希少なうえカラット数が大きければ、それだけ価値も高く、上品なカットが施されていればさらに高品質になります。
ただし、0.1ctほどであっても、鮮やかなコバルトブルーで透明度が高く美しいカットのコバルトガーナイトは、数万円と高額で取引されることもあります。特に、ナイジェリア産のコバルトガーナイトは品質が高く、高価値です。
■ガーナイトの特徴
ガーナイトは、スピネルグループに属します。一般的には深い緑色やグレーなどで、落ち着いた雰囲気が特徴の宝石です。色が濃いものが多く、透明であっても黒っぽく不透明に見えるものも多くなっています。
美しい青色を呈するコバルトガーナイトは、2018年にナイジェリアで発見されました。発見から間もないコバルトガーナイトは、従来のガーナイトの印象を一掃させ、目を見張るような美しい青色で人々を魅了しています。ガーナイトにコバルトの成分が含まれることで生まれるコバルトガーナイトは、数が少なくレアストーンの一つに数えられています。
ちなみに、スピネルは無色透明の石ですが、さまざまな成分が含まれることで赤やオレンジ、緑、青などさまざまな色のものが生まれます。サファイヤやルビーなどと間違われていたこともあるほど美しい輝きがあり、その華やかさは多くの人を魅了してきました。
たとえばイギリス王家の「黒太子のルビ ー」は、ルビーではなく赤いスピネルであることが分かっています。
このように、スピネルは長きに渡り、ルビーやサファイヤなど別の宝石として流通していたため、スピネルとしての歴史上の記述は多くありません。
また、スピネルには化学組織が異なる21種類もの鉱物があり、これらの鉱物をまとめて「スピネル」と呼びます。ガーナイトも、このスピネルの一種です。
スピネルという名はラテン語でトゲを表す「スピナ」に由来するとされています。一方で、ギリシャ語で火花を意味する「スピンタリス」から名付けられたという一説もあります。
⇒スピネルについてはこちらの記事で詳しく解説しています。
■コバルトガーナイトの魅力
ガーナイトの人気を一気に集めることになった「コバルトガーナイト」は、その美しい青色が魅力です。コバルトガーナイトにもさまざまな色のものがあり、透明に近い薄い青のもの、暗い青のものもあります。
鮮やかな青色のものは、ブルースピネルやガーノスピネルと良く似ていることも特徴です。
特にガーノスピネルは、ガーナイトとスピネルが混じり合った固溶体であることが分かっています。コバルトが多く含まれるほど鮮やかな青色となり、コバルトガーナイトと同じような見た目になる仕組みです。
コバルトガーナイトには、内包物となるさまざまなインクルージョンが見られることもあり、ユニークな表情を楽しめます。液体などの一般的なインクルージョンのほか、オレンジの結晶や、気体・液体・個体のうち2種類を含む二相インクルージョンが含まれることがあります。
■ガーナイトの名前の由来
ガーナイトという名は、ヨハン・ゴットリーブ・ガーン氏に由来します。ヨハン・ゴットリーブ・ガーン氏は、マンガンを発見したことで知られているスウェーデンの化学者です。
ガーナイトは1807年にスウェーデンで発見され、同年に命名されたとされています。
■ガーナイトの産地

ガーナイトの主な産地はブラジルやナイジェリアですが、下記を含むさまざまな国で産出されています。
アメリカ
オーストラリア
フィンランド
スリランカ
カナダ
発見地であるスウェーデンでも産出されていましたが、現在では多くないようです。
2.鉱物・原石としてのガーナイト

亜鉛スピネル(Gahnite)
引用元:wikipedia
スピネルグループに属するガーナイトについて、ここからは鉱物としての特徴を見ていきます。
■組成について
ガーナイトの組成は、下記の通りです。
英名 | Gahnite(ガーナイト) |
和名 | 亜鉛尖晶石(あえんせんしょうせき) |
成分 | ZnAl₂O₄ |
結晶系 | 等軸晶系 |
モース硬度 | 7.5-8.0 |
屈折率 | 1.80 |
劈開 | 不明瞭 |
色 | 緑、グレー、青など |
主な産地 | ブラジル、ナイジェリアなど |
「亜鉛スピネル」や「ジンクスピネル」とも呼ばれるガーナイトは、スピネルに含まれるマグネシウムがすべて亜鉛に置き換わった鉱物です。「ジンクスピネル」の「ジンク」は亜鉛のことなので、その所以も明白です。一般的なスピネルの成分は「MgAl₂O₄」なので、ガーナイトの成分である「ZnAl₂O₄」と比べても、マグネシウムが亜鉛に置き換わっていることが分かります。
ガーナイトは、スピネルに比べると暗い色が多く、バリエーションも少ないことが特徴です。ところが通常のガーナイトにコバルトが含まれると、美しい青色を呈するコバルトガーナイトになります。
スピネルもコバルトを含むことで青色を呈しますが、どちらも希少性が高くレアストーンに分類されています。特に評価されているコバルト発色のブルースピネルは、ベトナム・ルクイエン産のコバルトブルースピネルです。
ガーナイトは、主に下記から産出されます。
変成岩
結晶性片岩
リチウムが豊富な花崗岩ペグマタイト
変性作用を受けた石灰岩
変性度の低いボーキサイト
高温の交代鉱床
砂鉱床
リチウムが豊富な花崗岩ペグマタイトでは、宝石品質で透明なガーナイトが産出されることが多いようです。また、ガーナイトは川底から見つかることも多くなっています。
これは、ガーナイトが風化に強いことが要因とされていて、母岩から外れたものが川へ流れ出るためと考えられています。このような採掘場所を、「二次鉱床」といいます。
■原石の形状と魅力
ガーナイトの原石は、整った八面体をしています。
スピネルグループの鉱物の多くが八面体で、原石のままの形も美しいことが特徴です。
いわゆるダイヤモンド型で、カットしなくても美しいその形状は、スピネル鉱山の鉱夫たちから、現地の言葉で【anyan nat thwe(アニアン・ナト・トゥエ)】と呼ばれています。これは「神によってカットされた石」という意味を込めたもので、【Angel Cut】とも呼ばれているようです。
ちなみに、実際のダイヤモンドも、スピネルと同じ等軸晶系の鉱物です。
まるでピラミッドを上下重ねた形を思わせる八面体で産出されるガーナイトもありますが、塊状や粒状のものもあるようです。
ガーナイトは、カットせずとも整っている原石が多く、原石そのものの形を唯一無二として楽しむ人も多くいます。また、その深い色合いや鮮やかなコバルトブルーも、ガーナイト原石の魅力です。
3. ガーナイトをより楽しむために

ガーナイトは、宝石としても鉱物としても魅力的です。あわせて、石言葉などもチェックしておきましょう。
■ガーナイトの石言葉
ガーナイトの石言葉は、主に下記とされています。
平静
才能
免疫力
ちなみに、スピネルの石言葉は「自己達成」「活力」などで、8月の誕生石となっています。
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4. まとめ
コバルトガーナイトの発見により、一躍その名を轟かせることになった「ガーナイト」。
スピネルグループの一種となるガーナイトですが、その魅力は唯一無二で多くの人を魅了しています。レアストーンとして希少性も高くなっているため、この機会にさまざまな色のガーナイトを楽しんでみてはいかがでしょうか。
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この記事を書いた人

Aria
TOP STOneRY / 編集部ライター
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