2023/08/29

太陽の宝石・サンストーン | 人気のオレゴンサンストーンなども交えてその魅力と詳細を解説

サンストーンは炎のようにメラメラと輝く様子がまるで太陽のように見える宝石です。しかし、同じ種類であっても色々な美しさがあり、見れば見るほど奥深い魅力を持っています。サンストーンとは一体どんな宝石なのでしょうか。特徴、魅力、逸話、産地、鉱物などを解説していきます。


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1.宝石・ルースとしてのサンストーン

まずは宝石ルースとしてのサンストーンの特徴や魅力、種類、産地などについて解説していきます。

■サンストーンの特徴

サンストーンの謎めいたキラメキは中に小さな赤い破片がたくさん入っていて、それが中でキラキラと輝きます。これは宝石の中に酸化鉄や銅のインクルージョン(内包物)が平行に入ることでおこる現象で、アベンチュレッセンスと呼びます。この独特の光沢がサンストーン最大の魅力といえます。

インクルージョンの大きさは様々で、比較的大きい粒だと光を反射させ赤味がかった輝きを放ちます。逆に細かな粒はまるで砂漠の砂のようで表面にメタリックな光沢が出ているように見えます。

サンストーンという名は6月の誕生石であるムーンストーンと対になるように付けられました。どちらも長石と呼ばれる鉱物の仲間ですが、あまり似ていないように感じるかもしれません。これはサンストーンが斜長石グループ、ムーンストーンはカリウム長石グループに属しているためです。

■高品質なサンストーンとは

特定の宝石に限らず、カラーストーンのクオリティを見る時は色の濃淡、透明度、その宝石独自の効果の強さがポイントになります。

サンストーンにおける高品質なものは、アベンチュレッセンスが強いだけでなく色が濃く透明度が高いものです。濃く鮮やかな輝きを放つサンストーンは本当の太陽のようにエネルギッシュな美しさを感じます。

中でもオレゴン州で産出するオレゴンサンストーンは特に人気があり、変わった色としては地色がグリーン系やオレンジ・レッド系とのバイカラー、また最も希少なものにはブルー系があり、きわめて価値が高くなります。

■サンストーンの魅力

色々なパターンがあり、風合いが違って見えるのがサンストーンの魅力です。アベンチュレッセンスの入り方や大きさで輝き方が変わり、同じ宝石とは思えないような違いが出ることもあります。色もオレンジからレッドが一般的ですが、無色透明に近いものも存在します。個性豊かなサンストーンをご紹介しましょう。

オレゴンサンストーン

    メタリックで独特なアベンチュレッセンスで他のサンストーンとは印象が異なるオレゴンサンストーンはレッド、オレンジ、イエローだけでなくいろんな色があります特にブルー系やグリーン系のオレゴンサンストーンは他のイメージとは違った美しさがあります。単色もありますが、オレンジ系と混じり合っているものは深みのある美しさです。暖色系と寒色系、相反する色が混じり合っているのにも関わらず調和が取れているように見えるのは実に不思議です。

    スターサンストーン

    インクルージョンが反射してメタリックに見えるアベンチュレッセンスは鉱物愛好家から「シラー」と呼ばれているそうです。シラー効果とよく一緒に見られるのがスター効果です。

    サンストーンのスター効果は光が当たらないとこのスターは見えずただのサンストーンに見えますが、真上から光を当てると中心に十字模様が浮かび上がります。宝石は自然光が一番美しく見えると言いますが、天気のいい日に太陽に当てると素晴らしいスターを見せてくれます。ぜひ外で楽しんでいただきたい宝石です。

    レインボーラティスサンストーン

      サンストーンの中で最も希少と言われている宝石です。格子状の模様とアベンチュレッセンスが非常に個性的で、まるで窓ガラスから美しい紅葉を眺めているような気分になります。この宝石はサンストーンと呼ばれていますが、実は宝石の種類としてはムーンストーンなのです。ムーンストーンにアベンチュレッセンスが出るのは非常に稀で、内包物の状態が美しいものはさらにレアになります。

      ■サンストーンにまつわる逸話

      どうやら、オレゴンサンストーンはネイティブアメリカンたちと深い関わりがあるようです。サンストーンの存在が知られていたのは1800年代初頭ですが、オレゴンサンストーンの存在が知られたのは歴史上1900年代のアメリカという記録があります。

      この宝石が赤い理由は、『負傷した大戦士の血がサンストーンの破片の上に落ち、石が赤く染まり聖なるパワーを宿したから』という伝説があり、もしかしたら、この地で古くから生活していたネイティブアメリカンたちは、鉱物学者の発見よりも先に、アメリカの大地が育んだこの宝石をパワーの象徴として大切にしていたのではないかと言われています

      ■サンストーンの産地

      産出する場所はアメリカ、ノルウェー、インド、カナダ、ロシアなど世界中にあります。ですが、ジュエリーになるような宝石品質のものは決して多くはありません。またサンストーンは産地証明が取れない宝石ですので、産地ごとの違いを明確にすることはできません

      前述した通り、アメリカのオレゴン州で産出されるものは「オレゴンサンストーン」と呼ばれ人気があります。アベンチュレッセンスは砂つぶが光に反射するような輝きで、少しメタリックな印象です。通常は黄色が多いのですが、オレンジ、レッド、グリーンまで幅があります。

      オレゴンサンストーンに瓜二つ?!な「エチオピアサンストーン」

        最近ではエチオピアでも産出しているのですが、その見た目がオレゴンサンストーンと非常によく似ていることで注目されています。世界的な鑑別機関であるGIAが成分分析をおこなったところ、ほんのわずかなカルシウム含有量の違いのみで、この二つの成分はほぼ同じだったそうです。稀少なオレゴンサンストーンとほとんど同じ美しいサンストーンが今よりも手に入りやすくなる…かもしれません。

        2.鉱物・原石としてのサンストーン

        前述したとおり、サンストーンは長石と呼ばれる鉱物のグループに属しています。ダイヤモンドやルビーなどのほとんどの鉱物とは違い、鉱物の種類ではなく見た目で名前がつけられています。一体どういうことなのでしょうか。

        ■組成について

        英名 Sunstone(サンストーン)
        和名 日長石(ニッチョウセキ)
        成分 KAlSi₃O₈(オーソクレーズ)
        NaAlSi₃O₈+CaAl₂Si₂O₈(オリゴクレーズとラブラドライトの固溶体)
        など
        結晶系 三斜晶系/単斜晶系
        モース硬度 6−6.5
        屈折率 1.53-1.55
        劈開 2方向に完全
        無色~淡黄色、内包物の色によりオレンジ〜レッド
        主な産地 アメリカ、ノルウェー、インド、カナダ

        サンストーンは鉱物名ではありません。長石グループの鉱物中でサンストーンの条件に当てはまるものをサンストーンと呼んでいるのです。

        例えばエメラルドはベリルという鉱物で、ベリル以外の鉱物がエメラルドと呼ばれることはありません。ですがサンストーンの場合は長石グループに属する鉱物の中で「アベンチュレッセンスを示すもの」がサンストーンと呼ばれます。サンストーンになりうる鉱物はオリゴクレース、オーソクレーズアンデシン、ラブラドライトなどがあり、一番多いのがオリゴクレースです。

        オレゴンサンストーンにはなぜグリーンが出るのか

        一般的なサンストーンはオリゴクレースがベースです。このオリゴクレースにはカラーレスかイエローといった色だけを持っています。

        対して、オレゴンサンストーンはラブラドライトという鉱物がベースとなっています。ラブラドライトは基本となる色合いは黄色ですが、多色性があるため赤や緑など複数の色を持ち、そのため前述のバイカラータイプやグリーン、希少なブルーなどの地色が異なるいくつものパターンが見られるのです。

        ■原石の形状

        前述した通り、サンストーンは色々な鉱物がありますから、その種類によって原石の形は変わってきます。例えばオリゴクレースのサンストーンは三斜晶系で、オーソクレースのサンストーンの結晶系は単斜晶系の結晶となります。

        多くの原石は塊状で産出されます。塊状とは目に見えないほど小さい結晶が多く集まって一塊になったもので、ほとんどが不透明〜半透明です。

        ■鉱物としてのサンストーン

        塊状の結晶は形こそ整っているわけではありませんが、色の美しく透明感のあるものは原石の状態であっても非常に魅力的です。個人的に見てピンクがかったものはゼリー菓子のように可愛らしく、イエローがかった原石はべっこう飴のように見えます。

        太陽光を当てるとアベンチュレッセンスがキラキラと反射して非常に美しく、大自然の神秘をのぞいているかのようです

        3. サンストーンをより楽しむために

        サンストーンはパワーストーンとしても人気があり、ジュエリー以外で楽しんで持つ人も多くいらっしゃいます。どんなパワーを秘めていたのでしょうか。

        ■サンストーンの石言葉

        サンストーンには正式な石言葉というものはありませんが、インターネットでは「情熱」「勇気」「きらめき」など幅広い意味が書かれています。ネイティブアメリカンの戦士はパワーを与える石と信じていたという伝説が残っていることから、おそらく特徴的な見た目や伝説からイメージして付けられているのではないでしょうか。

        ■ビーズなどの加工

        サンストーンはビーズ状にカットされたブレスレットが人気です。ビーズが何粒も集まることでサンストーンの美しさを十分楽しむことができますし、他の宝石と組み合わせてオリジナルのブレスレットを作成する方も多いです。

        ビーズでも品質の良し悪しがあり、鮮やかで透明感があったりアベンチュレッセンスが強いものは価格が高くなることがあります


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        https://www.topstone.jp/help/faq


        4. まとめ

        鮮やかな色をしたもの、アベンチュレッセンスが眩しいもの、透明感のあるもの、グリーンブルーを帯びたものなどサンストーンには色々美しさがあります。これはサンストーンが鉱物名ではなく、条件によって名付けられるという特殊な宝石だからなのでしょう。ネイティブアメリカンの伝説は今でも有名で、ジュエリーだけでなくパワーストーンとして多くの方が愛用しています。あなたも一度手にとって太陽のパワーを感じてみてはいかがでしょうか。


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        この記事を書いた人

        Yuki.O

        TOP STOneRY / 編集部ライター

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