2023/07/28

レアストーン中のレアストーン!非常に希少な【ジョハチドーライト】とは?

まさに知る人ぞ知るレアストーンである、「ジョハチドーライト」。稀有な存在であるジョハチドーライトは、産出数が非常に少なく市場に出回ることもあまりないとされています。

この記事では、そんな秘宝ともいえるジョハチドーライトの特徴や鉱物としての魅力をご紹介します。知られざるジョハチドーライトについて、ぜひ知識を深めていってください。


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1.宝石・ルースとしてのジョハチドーライト

まずはジョハチドーライトの宝石としての特徴を見てみましょう。

■ジョハチドーライトの特徴

ジョハチドーライトは、「ジョウハチドーライト」や「ジョーハチドーライト」などと表記されることがあります。そんなジョーハチライトの特徴は、蛍光すること。ブラックライトを当てると、青~紫色に蛍光します。

蛍光するのはカラーレスや淡い色合いの部分だけのため、黄色が強くなるほど蛍光は弱くなります。カラーレスと黄色が入り混じっているジョハチドーライトだと、蛍光した部分と蛍光していない部分のグラデーションも楽しめます。

ジョハチドーライトは黄色が美しいことで知られている宝石ですが、イエローオレンジの色合いも発見されています。

■ジョハチドーライトの歴史

ジョハチドーライトは、1942年に朝鮮半島の上八洞で発見されました。発見したのは岩瀬氏と斎藤氏の2人の日本人で、「上八洞」を日本語読みした「ジョハチドー」と、石を意味する「ライト」を組み合わせた名前になっています。

この時見つかったジョハチドーライトはミリ単位の小さなもので、カットできるほどの大きさではなかったようです。また、発見当時に行った成分分析は1977年に修正され、正式に現在のものとなりました。

ジョハチドーライトの発見当時は戦争中だったこともあり、現在の北朝鮮に位置する上八洞では以後宝石品質のものがほぼ見つからず、近年まで「幻の鉱物」と考えられてきました。しかし、1998年に黄色い宝石品質の14.02ctの石がイギリス宝石鑑定機関に持ち込まれました。この石を分析してみると、ジョハチドーライトの成分と一致したため、同一の石であることが分かりました。

持ち込まれた当初は産出地が明らかではなく、「ミャンマーで天然石として取り引きされたもの」であることしか分かっていなかったそうです。2007年頃までは、ジョハチドーライトの公式なカット石は、世界にわずか数個しかなかったとされています。

その後ミャンマーで宝石品質のジョハチドーライトがある程度まとまった数産出され、この時レアストーンコレクターを中心に、ジョハチドーライトは知名度を上げることになりました。しかし、ジョハチドーライトは現在でも産出量は非常に少なく、レアストーンの中でも稀有な存在です。

■ジョハチドーライトの産地

現在の北朝鮮である朝鮮半島で発見されたジョハチドーライトですが、現在はミャンマーのモゴック地区にあるピャン・ギー鉱山で産出されています。ほかの地域から産出されたという情報はなく、また現在唯一の産出地であるミャンマーでもなかなか見つからないことが、ジョハチドーライトの希少価値をより高めています。

2.鉱物・原石としてのジョハチドーライト

鉱物・原石としてのジョハチドーライトについても見てみましょう。

■組成について

ジョハチドーライトの組成は、下記の通りです。

英名 Johachidolite(ジョハチドーライト)
和名 上八洞石
成分 CaAlB₃O₇
結晶系 斜方晶系
モース硬度 7.5
屈折率 1.71-1.73
劈開 なし
カラーレス、黄色など
主な産地 ミャンマー

ジョハチドーライトは、石灰岩を切る岩脈の中で産出され、ホウ酸塩鉱物に分類される鉱物です。ジョハチドーライトと同じくホウ酸塩鉱物に分類されるシンハライトは、蛍光しません。シンハライトの成分は「MgAlBO₄」で、ジョハチドーライトの成分のカルシウムの部分が、シンハライトではマグネシウムであるためです。

またあくまでも推測になりますが、ジョハチドーライトが蛍光するか否かについては、含まれる成分の量に由来するのかもしれません。GIAの鑑別結果を見ると、オレンジが強い個体ほどFe(鉄)の含有量が多く、色が淡くなるほどFeの検出量が小さくなっています。

Feは蛍光を阻害する特性を持つため、ジョハチドーライトは、Fe含有量の違いによって蛍光を発するかどうかが分かれている可能性が考えられます。

アルミニウムとカルシウムホウ酸を含み、カリ長石や斜長石、柱石、方ソーダ石、金雲母、燐灰石および微量の閃ウラン鉱とともに、主に霞石岩脈で産出されます。生成条件や生成環境などはまだ不明な部分が多い鉱物で、ルビー漂砂鉱床付近のペグマタイトの中から産出された例も報告されています。 

■原石の形状

ジョハチドーライトの結晶は斜方晶系で、双ピラミッド形や平らなどの形をしています。

長さが異なる三本の結晶軸が直交する形である斜方晶系ですが、まるでピラミッドが上下で重なったような形になることもあるためです。

■鉱物としての魅力

ジョハチドーライトは、そもそもレアストーン中のレアストーンであることから、コレクター人気が高い鉱物です。原石の状態でも蛍光性が強いため、色の変化を楽しむ人も多くなっています。またハックマナイトとともに見つかる鉱物も少なくなく、どちらの原石も蛍光性があることから、その色合いや蛍光性が楽しめる点も魅力です。

石英を母岩(マトリックス)として、ジョハチドーライトの色と、そのほかに白や濃い黄色の雲母やブルーやパープルのハックマナイトなど複数の色が塊になった原石は、コレクター心をくすぐります。

3. ジョハチドーライトの楽しみ方

ジョハチドーライトは、レアストーンですがモース硬度が高いことが特徴です。ただし、そもそも稀有な存在でありカラット数が大きいものは非常に少なくなっています。ジョハチドーライトは色合いや蛍光性がとても美しいことから、原石のまま観賞用として楽しむ人もいます。


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4. まとめ

とても珍しく滅多に市場に出回らないジョハチドーライトは、美しい黄色が印象的な石です。クラックが入っていたりバイカラーとなっていたり、紫外線を当てれば蛍光を楽しめたりと、さまざまな表情を見せるジョハチドーライト

いつお目にかかれるかわからない希少な存在であるジョハチドーライトは、出会える機会があれば是非とも一度は直接この目で見ておきたい宝石といえるでしょう。


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この記事を書いた人

Aria

TOP STOneRY / 編集部ライター

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